■琉球新報99年10月8日付夕刊に掲載 

鼻の周りの皮膚が赤くなる

問い  鼻の周囲の皮膚が赤くなる「酒●」(しゅさ)で悩んでいます。年中、赤い状態ですが、夏になると強い日差しでますます赤みが増し、特に困ります。その部分だけが日光に過敏で、異常なほど赤くなります。そのため、人目を気にし、他人との接触を控えている状態です。まだ病院で診せたことはありません。何かいいアドバイスをお願いします。

 (男性) 

<答えるドクター>
安里哲時(安里皮膚科医院) ・・・・・・・・・・・・・・・・

軽症のT度酒●か/刺激物や強い日光避けて
答え
 鼻の周囲の皮膚が赤くなる「酒●」で悩んでいるとのことですが、顔が赤く(紅斑=こうはん)なる皮膚病は、酒●以外に、脂漏性皮膚炎、■瘡(ざそう=ニキビ)、顔面播種状粟粒性狼瘡(はしゅじょうぞくりゅうせいろうそう)など、その他いろいろあります。
 酒●の紅斑(顔面)は鼻部から始まり、次いで、ほお部、あご部、前額と顔面の中央部を侵します。一方、脂漏性皮膚炎の軽症例では、鼻の周辺や眉間(みけん)、額部に紅斑、鱗屑(りんせつ=フケ)のみの例もあります。この疾患との鑑別も必要です。
 酒●は、男女の区別なく、三十―五十歳代以降の顔面に生じ、その症状により、T度(紅斑細血管拡張型)、U度(丘疹=しん=型)、V度(肉芽腫=しゅ=性)があります。
 相談例は、最も軽症のT度酒●に相当すると思われます。T度酒●の症状は、鼻先、鼻の周辺のほお部、眉間、あご部などに境界のはっきりしない発赤で始まります。発赤は、はじめは一時的で、温度刺激、精神的緊張で誘発、さらに悪化します。この時点では赤面恐怖症との鑑別がいります。やがて発赤は持続性となり、細血管拡張を伴うようになり、局所の皮膚は油性光沢を帯びます。
 原因は一定の見解はなく、不明ですが、次のことが関係して発症するとされています。三叉(さんさ)神経支配領域の血管運動神経の反応異常、精神的、内分泌的因子や胃腸障害、脂漏、ビタミンB2欠乏など。
 第T度酒●の治療は、局所療法はイオウ剤、非ステロイド系消炎剤軟こうなど、全身療法はビタミン剤、抗生物質の投与などを行っています。
 日常の生活の注意としては、食事は過熱物や香辛料、アルコール、コーヒーなどの摂取を避ける。心身の安定をはかり、急激な温度変化や長時間の日光照射を避けるようにします。あなたも、夏の強い日差しで、異常なほど赤くなるとのことですので、日光を避けることは、これ以上の症状の悪化を防ぎ、さらに皮膚の老化、皮膚がんの予防にも役立ちます。
 まだ病院で診せたことがないとのことですが、酒●か、脂漏性皮膚炎その他の疾患の可能性もありますので、皮膚科専門医を受診なさってください。容易に診断がつきますから、治療を受けることを勧めます。
 【注意】
 @文中の●は、ヘンが「査」、ツクリが「皮」。
 A■は「やまいだれ」の中に「坐」の字。


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