■琉球新報99年9月17日付夕刊に掲載 

おしりと両かかとが痛い

問い  二十一年前に整形外科で腰変形性脊椎(せきつい)症と診断され、今日まで治療していますが、四年前からは両おしりと両足かかとの裏側が痛くなっています。座っていてもおしりが痛み、足の裏側は座っている時も歩いている時も痛みがあり、毎日我慢している状態です。歩行や日常生活には今のところ支障はありませんが、これから先、痛みがひどくなると不自由になるのではと心配しています。いい治療法を教えてください。

 (男性) 

<答えるドクター>
具志堅功(具志川整形外科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

腰部変形性脊椎症か/ブロック療法も考えて
答え
 まず、両おしりと両足の痛みは、腰部脊髄神経の刺激症状と思われます。
 脊髄は、腰部で枝分かれをして下股(かし)の神経になります。腰部脊髄や枝分かれをした神経の部分で圧迫を受けると、おしりや下肢の痛み、しびれ、筋力低下などの症状が出現します。
 脊髄神経を圧迫する病気には次の三つがあります。@椎間板(ついかんばん)の一部が飛び出しておこる椎間板ヘルニアがあり、比較的若い人に多く発症します。A一方、脊椎骨の変形により骨の一部が出っ張ったり、靭帯(じんたい)が肥厚して神経を圧迫する場合を変形性脊椎症といい、中高年に多く発症します。Bまた、脊髄は脊椎骨の管の中にあり、脊椎管が骨の変形や靭帯の肥厚などで狭くなり脊髄全体を圧迫するときは、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症といって、特に歩行時に下肢の痛み、しびれ、脱力が出現し、安静で症状が軽減するといった症状が出現します。
 以上のことから、患者さんの現在の症状は、腰部変形性脊椎症の状態と考えられます。さらに、現在の状態をより詳しく調べるために、レントゲンやMRIなどの検査をし、脊椎の変形や神経の圧迫の状態を確認する必要があるでしょう。
 治療についてですが、一般的に外来で行う治療としては、痛みやしびれなどの神経の刺激症状を抑えるために、消炎鎮痛薬やビタミンBォ剤の内服や、ホットパックなどの温熱療法、腰部脊椎の曲がり具合を調節し神経の圧迫状態を改善するための腰椎コルセットを装着する方法があります。最近では、慢性の痛みを改善する目的でリハビリでのレーザー治療もあり、これらの治療を行い外来通院で経過を見ていきます。
 以上の治療でも症状の改善が見られないときは、硬膜外ブロックや神経ブロックを行うこともあります。この治療は、痛みの原因となっている神経やその周囲に直接注射を行います。硬膜外ブロックは外来で行うこともありますが、神経ブロックは入院が必要です。
 日常生活に不自由ない程度の痛みについては、以上の治療を行うとよいでしょう。
 しかし痛みの程度が強く、日常生活に支障をきたしているときや、筋力の低下が進行しているときは、入院して脊髄造影検査を行い、その結果、手術的に神経を圧迫している脊椎骨や靭帯を取り除く場合があり、二週間程度の入院が必要となります。
 現在の患者さんの訴えから推察すると、症状が主に痛みだけで、日常生活にも支障をきたしていないということなので、外来治療を行い、整形外科の主治医と硬膜外ブロックや神経ブロックについても相談されたらよいかと思われます。


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