■琉球新報99年8月27日付夕刊に掲載 

手の甲に二十〜三十個の老斑

問い  三十代前半から、手の甲に老斑(はん)らしきものが出てきました。皮膚科でやはり老斑と診断され、ショックでした。ドライアイス(?)での治療を受けましたが、中断してしまいました。老斑はイボ状で、二十〜三十個あり、大きいのは直径二ほど、色は薄茶です。右手より左手に多いです。六十代の女性と比べても、自分の手の方がふけていて、人前で手を出すのが嫌になります。皮膚科、美容整形外科のどちらを受診した方がいいのでしょうか。費用はどれくらいでしょうか。

 (女性) 

<答えるドクター>
近藤加代子(中部徳洲会病院形成外科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

脂漏性角化症では/炭酸ガスレーザーで治療可
答え
 老斑とのことで一度治療を受けられたようですが、相談内容から考えますと、脂漏性角化症ではないかと考えられます。
 これは、四十歳を過ぎたころから、顔面、頚(けい)部、体幹を中心に身体各所に多発してきます。形は円形もしくは楕円(だえん)形で、皮膚からやや隆起し、表面がざらざらした感じのものです。色は褐色から黒褐色とさまざまで、たまに皮膚がんではないかと心配して来院される方もいらっしゃいます。皮膚の浅いところにあるもので悪いものではなく、放置しても問題はないのですが、できている部位や大きさによってはかなり気になるのではないかと思います。
 治療法にはいろいろありますが、最近では炭酸ガスレーザーを使用する方法が行われています。これは皮膚表面を焼くタイプのもので(実際には水分を蒸散させているのですが)、取りたい部分を薄く削るようにレーザーを照射します。
 この方法は簡便で確実であり、浅い部分のみの照射なので、局所麻酔用のクリームを使用しますと痛みがかなり抑えられ、多くの場合、注射を必要としません。ただレーザーを使用すると保険が適用されませんので、費用は病院によって異なります。
 また、できているものが、上記に紹介したような良性でなく悪性を疑うものであれば、手術的に削る、もしくは切除するという方法をとる場合もあります(その場合、保険は適用となります)。その判断は専門医でないと難しいと思われますので、費用の面も含めて炭酸ガスレーザーのある皮膚科もしくは形成外科へ相談されてはいかがでしょうか。
 ただ気をつけていただきたいのは、削った場所は一時的に皮膚が弱くなっており、紫外線などの刺激によって色素沈着を起こしやすくなっているということです。色素沈着が目立ってしまった場合には、別の種類のレーザーを使用して治療することもありますが、これを防止するためには、治療後、徹底した遮光や日焼け止めの使用が必要です。体質にも左右されますが、きちんと遮光している人の方が照射跡が目立たないようです。きれいに治したいと思うなら、治療とともに、治療後のケアも大事であることを覚えておいてください。


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