■琉球新報99年8月13日付夕刊に掲載 

脱毛症の効果的治療法は

問い  二十代後半から頭髪の抜け毛で悩んでいます。これまで各種育毛剤を次々と使い、とうとう、かつらメーカーと百数十万円の契約まで交わしてしまいました。半年前に皮膚科で脂漏性疾患と診断され、セファランシン(血管拡張剤)、ヒズボットクリーム(副腎=じん=皮質ホルモン剤)、アロビックス液を投薬されています。しかし、まだ効果はなく、このまま今の治療を続けるしかないのでしょうか。最新、最善の効果的な方法があったら教えてください。

 (男性) 

<答えるドクター>
当山護(当山形成外科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

新薬や植毛手術も登場/過度のシャンプーにも注意
答え
 お手紙の内容からすると、「男性型脱毛症」と思われます。
 男性型脱毛症は、通常は加齢変化とともに起こる毛髪の脱毛が、ホルモン因子によって若年期(壮年期)から見せ始めるのを総称します。男性のみに起こるのではなく、女性にも生じます。女性の場合は頭部全域が薄くなってきますが、男性の場合は前頭部から頭頂部へかけて生じてきます。
 遺伝的素因がこれまで強調されていたのですが、最近はホルモンの遺伝的強さ、つまり男性ホルモンがより強力な男性ホルモンに変移していく過程で前頭部などに若はげを起こし、男性ホルモンに過敏性を持っている人だけに生じ、家族的に見られるという説が支持されています。
 脂漏性疾患と診断されていたようですが、これは頭皮の慢性的皮膚疾患です。確かに脱毛を生じる場合はありますが、現在はその経過などから、脂漏性脱毛も男性型脱毛症の中に含める場合があります。
 ご使用のセファランシン、アロビックス液などは伝統的な薬であり、ヒズボットクリームを含め、脂漏性状態の頭皮に対して以前から使用されていました。皮膚疾患の病的状態における健康保険適応範囲内の薬ということができます。
 さて、最近話題のT製薬会社から発売の「リアップ」についてです。これはミノキシジールという心臓病血管系を治療する薬の副作用として、発毛が認められ、米国で最も有効性があるとされています。
 ただし、元の状態にまでは期待しないほうが良いと思われますし、後頭部と頭頂部に効果的で、前頭部には効かないとされています。また、中止すると効果がなくなり、日本では米国よりやや薄い濃度での発売とも聞いています。
 その他にも、米国食品医薬品局(FDA)で承認され、日本では発売されていないプロペシアという内服薬もあります。前立腺(せん)の薬として最初は作られていたようですが、性的インポテンツをも同時に起こすという副作用があります。
 日常的注意事項の中で、最近はシャンプーをしすぎないようにとの注意、並びに皮脂を多く分泌する原因となる高カロリー食、あるいは高脂質食物の摂取を減らすべきだという説も新しい知見かもしれません。
 最後は、外科療法で自分の残っている後頭部の毛根を一本ずつ脱毛部位へ移植する方法です。米国、欧州ではこの植毛法が非常に流行しております。結果も良好なのですが、日本では手術器具の特許の関係もあり、値段が高いのが欠点です。


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