■琉球新報99年7月30日付夕刊に掲載 

涙嚢炎で絶えず涙が出る

問い  二十代に涙嚢(るいのう)炎と診断され、手術を勧められましたが、針のようなものを使う治療があまりに痛くて、途中でやめてしまいました。今は寝不足や疲れがあると、目の周りがかゆくなり、目が真っ赤になります。絶えず涙も出るのでハンカチが手放せません。四十代になって視力が衰え始め、目がすっきりせず疲れやすくなっています。放っておくと目が見えなくなるのでしょうか。手術の方法や入院日数、費用について教えてください。

 (48歳・女性) 

<答えるドクター>
山城裕子(山城整形外科眼科医院) ・・・・・・・・・・・・・・・・

まず洗浄で炎症抑えて/生活に支障あれば手術も
答え
 まず、お悩みの涙嚢炎について説明します。涙は常に目を潤すために涙腺(せん)から分泌され、鼻の奥に流れています。この目と鼻をつなぐ涙の通り道を涙道といい、上下涙点、上下涙小管、涙嚢、鼻涙管からなっています=図参照。
 涙嚢炎は、鼻涙管がさまざまな原因によって詰まることで、涙が鼻に排出されず涙嚢にたまって炎症を起こす病気で、悲しくもないのに涙が流れ、目頭を押すと膿が逆流して出たりします。台所の流しがつまった状態を想像してください。放置すると、細菌の格好の繁殖場となるため、結膜炎、角膜炎、眼瞼(がんけん)縁炎、眼瞼皮膚炎などの病気も併発します。相談者の目の周りのかゆみや充血はこれらが併発したためと考えられます。
 目が見えなくなることを心配されていますが、直接、視力を失うことはありません。しかし、涙目のために見えづらい状態は、治療しない限り良くなることはないでしょう。
 次に治療ですが、涙嚢に炎症があり、ほとんどは細菌によるものですから、抗生剤の入った生理食塩水で頻回に涙嚢を洗浄し炎症を治療する必要があります。合併症も抑えられますし、それらの刺激による流涙は軽減します。手術の結果にも影響を与えます。
 この治療で症状が改善される方もいますが、涙の通り道がつまることが原因ですので、新しい道を作るか、道を広げてあげることが根本的治療になります。二十年前に手術を勧められたとのことですが、おそらくその手術は涙嚢鼻腔吻合(びくうふんごう)術という手術で、目頭と鼻の間のところを切開して、鼻の骨の一部を開けて涙嚢と鼻をつないで涙の通り道を作ってあげるものです。
 しかし、最近ではチューブを涙道に留置し、涙の道を押し広げてあげる方法も行われるようになりました。外来通院でできます。ただし、チューブが挿入できない場合や症状が改善されない場合は先に述べた手術となります。
 とにかく、炎症を抑えることが必要です。炎症が治まっても流涙が生活に支障をきたすならば、手術を考えるようになさってはいかがでしょうか。早めに眼科を受診してください。


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