■琉球新報99年7月16日付夕刊に掲載 

かさかさの水虫が治らない

問い  二年前から水虫で悩んでいます。皮膚科も三カ所行きましたが、どの病院の薬を塗ってもかゆみが治まりません。私の場合は、じくじくしたものではなく、かさかさに乾燥しきった状態です。ある本には塗りすぎてもいけないとか、飲み薬がいいとか書いてありました。家族にうつってしまったら大変なので、一日も早く治したいと思います。アドバイスをお願いします。

 (75歳・女性) 

<答えるドクター>
萩原啓介(中央皮フ科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

趾間型か角質増殖型/2、3ヵ月は毎日薬塗って
答え
 二年前からかさかさした水虫があり、かゆみが治らないとのこと、お悩みお察しいたします。まず水虫の診断ですが、三カ所の皮膚科で診てもらっていますので間違いないと思います。通常は、表面りんせつを擦り取って苛性(かせい)カリという薬品で皮膚の角質を溶かし、顕微鏡検査をして白癬(はくせん)菌があるかないかで確定します。
 水虫の皮膚症状としては@小水疱(ほう)型A趾間(しかん=足の指の間)型B角質増殖型(角化型)―の三つに分けられます。
 このうち、かさかさするものは趾間型の一部と角質増殖型です。趾間型は水虫の中で最も多く、水疱や皮がふやけたようになってジクジクするタイプと、赤くなったり皮がむけたりするだけの乾燥するタイプがあります。角質増殖型は足の裏全体の角質が硬く分厚くなってくる水虫で、一般の水虫と違って冬になっても良くならず、慢性になりますが、かゆみなどの自覚症状はあまりありません。これらの三つの型が重複して見られることもよくあります。あなたの水虫は、趾間型か角質増殖型ではないかと推測します。
 水虫のかゆみは、白癬菌が皮膚表面の角質層を溶かして中に侵入する時に出すタンパク分解酵素、血液中にある白癬菌を防ぐ抗真菌因子、また、水虫に感染すると身体が菌に対する免疫反応を生じ、これに伴って生じる炎症物質などが、皮膚のかゆみのレセプター(受容体)を刺激するために起こります。
 したがって水虫の治療は、通常は角質増殖型の一部を除いて抗真菌剤の外用(クリーム剤、軟こう剤、液剤)が主ですが、かゆみの強いタイプではこれに外用ステロイド剤や内服抗ヒスタミン剤などを短期間併用します。角質増殖型の一部やつめの水虫では、抗真菌剤の外用のみでは薬剤が菌に届かず、抗真菌剤の内服や角質融解剤を併用します。糖尿病や他の基礎疾患が合併している場合も、内服薬を併用した方がいいでしょう。
 水虫がなかなか治らない場合、いくつかの原因が考えられます。毎日きちんと薬を塗っていても全く良くなってこなければ、水虫ではなく湿疹(しっしん)など他の皮膚病の可能性もあります。水虫であっても、その症状に適した薬を使っていないかもしれません。角質増殖型では液体やゲル状の薬では治らないばかりか、悪化することがよくあります。
 また、薬を塗ると良くなるが、しばらく塗らないと再発し、いつになっても治らないというのであれば、塗る期間が足りないのだと思います。外用薬で表面がきれいになったように見えても、角質中には菌が残っていることが多いので、足の水虫の場合は約二―三カ月は毎日薬を塗るようにしましょう。


<健康相談室>メニューヘ