■琉球新報99年6月25日付夕刊に掲載 

16歳で158センチと背が低い

問い  息子(高二、十六歳)の身長のことでお尋ねします。現在一五八センチと低い方なので、もっと背を伸ばしたいと思いつつ、もう一ついい手が見つからない状態です。前に「背が低い子は成長ホルモンを注射して背を伸ばす」という記事を見たことがありますが、息子もこの治療を受けられるでしょうか。沖縄ではどこの小児科が適切でしょうか。

 (43歳・男性) 

<答えるドクター>
具志堅美由紀(ぐしけん小児科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

病的な低身長ではない/治療開始は早い年齢で
答え
 小児科の外来では、身長についての相談は少なくありません。ただ、乳幼期の健診で背が低いと指摘されてもあまり気にせず、将来伸びるだろうと様子を見ることが多いようです。本人が気にするようになって受診される時は切実なのですが、医師の立場からは、もっと早く受診していればよかったと思うことは少なくありません。
 ところで、相談者の息子さんの身長は、十六歳の標準身長の枠内にあり、病的な低身長とはいえません。低身長とは、同年齢の平均身長からマイナス2SD(SDは標準偏差)以下の身長をいいます。(グラフ参照)。相談者の場合なら一五七・一センチ以下です。 低身長の原因の一つには、成長ホルモン分泌不全性低身長症があります。下垂体から分泌される成長ホルモンが少ないことが原因で、成長曲線をつけてみると、一年間の伸び率(成長率)が悪く、骨年齢が遅れます。そのような所見があれば、成長ホルモンの分泌を調べる負荷試験など、精密検査を受けます。
 分泌不全が診断されたら、小児慢性特定疾患に指定され、治療は公費で賄われます。ただし、一九九八年四月から適応基準がマイナス2・5SD以下の身長と厳しくなりました。十六歳なら一五四・二センチ以下でないと公費は受けられません。また治療開始年齢は、骨年齢が男子十七歳未満、女子十五歳未満となっています。
 低身長の原因は、ほかにも甲状腺(せん)機能低下症、思春期早発症、思春期遅発症などがあります。
 甲状腺機能低下症なら、甲状腺ホルモン補充療法を行います。
 思春期早発症も少なくありません。男子の成長のスパートは十二歳から十四歳、女子は十歳から十二歳ですが、中学生で相談を受けた時に、すでに成長が止まっていることがあります。特に男子は見過ごされやすいです。男子で九歳未満、女子で七歳未満に二次性徴が発来したら、結局は低身長になるので、注意が必要です。
 そのほかにも、二次性徴の見られない低身長に、ターナー症候群という疾患があります。
 いずれにしても、治療開始の年齢は早いに越したことはないので、四―五歳になれば一度専門外来を受診して、的確な指導と説明を受けられることをお勧めします。
 県内で成長ホルモン補充療法をしている施設については、沖縄県医師会事務局(M098・877・0666)までお問い合わせください。


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