■琉球新報99年5月28日付夕刊に掲載 

息子のアデノイド、手術必要か

問い  小一の男児。最近、鼻づまりといびきがひどいため、耳鼻科でレントゲンを撮ってもらうとアデノイドがあるとのことでした。「八〜十歳までには小さくなっていく。耳は悪くないので、薬で様子を見ましょう」と言われ、通院しています。本を読むと、五、六歳で手術をした子もいるとか、手術後にアデノイドが大きくなることもあると書かれていました。このまま薬を飲み続けた方がいいのか、手術した方がいいのか、アドバイスをお願いします。

 (34歳・女性) 

<答えるドクター>
糸数哲郎(中頭病院耳鼻咽喉科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

鼻づまり伴えば手術を/1週間の入院、再発なし
答え
 のどの上、鼻のつきあたりを上咽頭(いんとう)といいますが、そこにある扁桃(へんとう)をアデノイド(咽頭扁桃)といいます。アデノイドは一般に扁桃腺(せん)と呼ばれている口蓋(こうがい)扁桃や舌の付け根にある舌根扁桃、上咽頭の横にある耳管扁桃とともに、鼻や口から侵入する細菌やウイルスなどから体を守る働きをしています。
 一般にアデノイドの発育は三―五歳ごろから始まり、六歳ごろにピークに達し、十二―十三歳ごろから急速に小さくなります。そのためアデノイドの大きさが問題となるのは、幼小児期から学童初期までとなります。
 アデノイドはその前方は鼻へ、側方は耳管という管で中耳へ、後方はのどへと続いており、その肥大が高度な場合や炎症が繰り返されると、鼻や耳などに悪影響を与えることになります。
 幼小児の上咽頭はもともと狭いため、アデノイドの肥大があると鼻づまりを引き起こします。また鼻腔(びくう)内の気流が妨げられるため、副鼻腔炎にかかりやすくなることもあります。
 またアデノイドの炎症が耳管を通じて中耳腔へ及ぶと、急性中耳炎を繰り返したり、中耳腔という鼓膜の部屋に水がたまる滲出(しんしゅつ)性中耳炎を起こし、難聴が生じることがあります。
 さらに鼻づまりのため口呼吸が続くと、いつも口を開け、集中力のない顔、いわゆるアデノイド顔貌(ぼう)となったり、いびき、睡眠時無呼吸などから発育障害、体重増加不良などの全身症状が生じることもあります。
 一般的にはアデノイドが大きいだけでは手術の対象とはなりませんが、鼻づまりやいびき、滲出性中耳炎などの症状が出現している場合は手術の適応と考えます。
 手術を受けた方がいいかというご相談ですが、鼻づまりの原因がアデノイドによるものであれば、手術を行えば症状は改善すると思います。通常、手術は全身麻酔で行い、アデノイドを口の中から摘出します。その際扁桃が大きい場合は、扁桃も同時に摘出することがあります。入院期間は約一週間で手術後のアデノイドの再発はありません。また幼児期以降は免疫機能が完成するため、アデノイドや扁桃を摘出しても特に抵抗力が落ちるといった免疫機能への影響もありません。
 鼻づまり、いびきなどの症状の程度、アデノイドの大きさ、また他の鼻づまりを生じる疾患、たとえばアレルギー性鼻炎などが合併していないかなどを含め、手術の必要性について主治医とよく相談することが必要だと思います。


<健康相談室>メニューヘ