■琉球新報99年5月21日付夕刊に掲載 

2年前から体中がかゆい

問い  二年前から体にかゆみがあります。かゆい場所は全身あちこちで一定せず、鉛筆で書いたような線状だったり、約一a幅の赤みだったりです。皮膚科ではアレルギー性といわれ、静脈注射と白い小さな錠剤(アレジオンウ)と塗り薬を処方されました。その後錠剤を毎日一回服用しています。二日ほど薬をのまないと、すぐにまた赤くなってかゆみが出てきます。これは治りますか。いつまで服用すればいいのでしょうか。

 (66歳・女性) 

<答えるドクター>
江夏力(はえばる皮ふ科医院) ・・・・・・・・・・・・・・・・

慢性じんましんか/薬で即治らず気長に治療を
答え
 ご質問の内容からすると、じんましんによるかゆみだと思われます。じんましんは激しいかゆみを伴うみみずばれや、地図状の膨疹(ぼうしん)と呼ばれる症状を呈する皮疹で、三十分―数時間後には自然消退しますが、一定の時間になるとまた出現します。夕方や朝起きた時に多く出る傾向があるようです。かゆみを伴う皮疹が繰り返し出没する厄介な皮膚病の一つです。
 じんましんの原因として最も多いのは食事性アレルギーで、魚介類がその代表です。その他、抗生物質、サルファ剤、血清などの薬物によるもの、また花粉、羽毛、塵埃(じんあい)など生活環境物によるものなどがあります。そのほか少数ですが、温熱による温熱じんましん、日光照射による日光じんましん、ストレスにより生じるコリン性じんましんが知られています。
 また症状の持続期間により、四、五日から約一カ月で治癒するものを急性じんましん、三カ月以上一年余にわたるものを慢性じんましんと分けています。あなたの症状は一昨年から続いているとのことですから、慢性じんましんの診断が適当だろうと思います。
 じんましんの治療はなかなか大変です。根本的な治療方法としては、種々の検査で原因を突き止め、それを取り除くというのが最善ですが、実際には、じんましんの原因物質を見つけるのが非常に困難なので、抗ヒスタミン剤という内服薬でじんましんの出現を抑えるという治療法が行われています。これは長期間抗ヒスタミン剤を服用してもらい、徐々に減量して最終的に症状が出なくなるのを待つという治療法です。
 内服薬になかなか反応しない時には、減感作療法を試みる時もあります。患者さんによっては、この療法がよく効く時もあります。これは種々の抗原の入った液を少しずつ皮内に注射して、身体が抗原に慣れるようにし、じんましんの発症を抑制するという治療です。週二、三回の注射が煩わしいのと痛いのとで、実際に減感作療法を続けるのは容易ではありません。
 じんましんの治療によく使用されている抗ヒスタミン剤ですが、緑内障のある人や、前立腺(せん)肥大などの下部尿路閉塞(へいそく)のある人への使用は禁忌となっています。またよく知られている副作用として、眠気、脱力感がありますが、この副作用の発現にはかなりの個人差があるようです。一錠服用しただけで翌日までだるかったという人もいれば、二錠ずつ朝、昼、晩服用したが何ともなかったという人までさまざまです。眠気が強く出る人は、車の運転や危険な仕事に従事する時に注意を要します。
 慢性じんましんは、その原因が突き止めにくく、薬をのめばすぐ治るという病気ではないので、主治医とよく相談しながら気長に治療を続けることが必要だと思います。


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