■琉球新報99年3月26日付夕刊に掲載 

口の中が渇きがちで不快

問い  半年ほど前から口の中や舌、くちびるがよく渇き、毎日不快でなりません。もやもやした感じで、最近は食欲も落ちていました。病院ではビタミン不足ではないかと診断され、ビタミン剤をのんでいます。私は数年前から、自律神経失調症や睡眠剤、安定剤、血圧、コレステロール、胃薬など、いろいろな薬をのんでいるので、薬害か口の病気かと悩んでいます。胃はカメラを入れ、荒れてはいるが、異常はないとのことでした。

 (女性) 

<答えるドクター>
上江洌良尚(浦添総合病院内科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

シェーグレン症候群か検査を/薬の副作用の疑いも
答え
 ご相談の内容では、口腔(こうくう)内の渇きが主な症状のようです。口腔内が乾燥すると口腔内のしゃく熱感、食物のそしゃく、嚥下(えんげ)困難、味覚の変化が起こったり、また唾液(だえき)が減少すれば殺菌作用が減退するため虫歯ができやすくなるなどの症状が出ます。
 口腔乾燥をきたす原因としては入れ歯が合わないといった単純なものもありますが、主な原因は唾液を産生している唾液腺(せん)の分泌障害によるものです。単に加齢による唾液量の減少といった場合もありますが、慢性耳下腺炎や唾液腺委縮症などの唾液腺自体の異常などで口腔乾燥をきたすことがあり、この場合は耳鼻科で治療を受ける必要があります。
 また、胃薬に使われる抗コリン剤や降圧剤のメチルドパ、クロニジン、鼻炎や皮膚炎などで使用される抗ヒスタミン剤、睡眠薬の一部などでも、副作用として口腔乾燥をきたすことがあります。この場合は原因薬剤を中止すれば症状は改善します。
 ご相談者の場合、多種類の薬剤を服用中のようですので、現在服用中の薬剤の中にこのようなものが含まれていないかどうか、主治医の先生とよく相談されて、必要であれば薬剤の調整をしてもらったほうがよいでしょう。
 また、口腔内乾燥を主症状とする代表的な疾患で、中年女性に好発するものとしてシェーグレン症候群があります。これは膠原(こうげん)病の一種で、自己免疫により唾液腺、涙腺などの外分泌腺が障害されるため、口腔内乾燥による症状や乾燥性角結膜炎による目の乾燥症状(涙が出ない、目の中に砂が入ったような違和感、目の疲れ、充血、かゆみなど)が伴います。また、鼻が乾燥したり、発熱、関節痛などを伴ったり、慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの他の膠原病を合併することもあります。
 シェーグレン症候群の治療は対症療法が主となり、減少した唾液、涙液を補うため人工唾液や人工涙液が使用されますが、腺外症状がある場合にはステロイド剤や漢方薬などが使用されることもあります。この疾患では血液検査である種の自己抗体が陽性になることが多いので、この疾患の可能性がないかどうか、内科あるいは耳鼻科で検査することをお勧めします。
 このほかに、尿の回数や量が多いという症状を伴い、口渇感があるためよく水分を取るという症状がある場合には、唾液腺の異常ではなく、糖尿病などの代謝性疾患の可能性もあります。ご相談者の記載内容では頻尿の症状はないようですが、高齢者では糖尿病の有病率が高いため、念のため一度病院で血糖値を測定してもらい、糖尿病の有無をチェックしてもらったほうが良いでしょう。


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