■琉球新報99年2月26日付夕刊に掲載 

繰り返す口内炎に悩む

問い  口内炎に悩まされています。幼いころからできやすい方でしたが、昨年五月ごろから一度に二個以上できたり、毎週できたり、のどや歯茎にできたりと症状が悪化してきました。口内炎のできはじめには風邪のような症状(体のだるさと軽いせき)が出ます。治るまでに一週間ぐらいかかるので食欲もなくなります。口内炎の予防法と治し方を教えてください。

 (女性) 

<答えるドクター>
徳山清之(浦添総合病院内科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

アフタ性口内炎の疑い/消化器症状もあれば検査を
答え
 再発性の口内炎でお悩みのご相談ですが、口内炎は限局性のアフタ性口内炎と、全体的に発現する表在性、びまん性口内炎に分類されます。文面からアフタ性口内炎が一番考えられます。
 まず、アフタ性口内炎について述べます。よく見られる部位は口腔(くう)粘膜で、上下口唇(しん)、舌尖(ぜつせん)、ほお粘膜などで、時に口蓋(がい)、咽頭(いんとう)にも発生します。直径一―三 、痛みを伴った円形の浅いかいようで、その表面は白いこけのような偽膜で覆われ、周辺の粘膜に発赤が見られます。自覚症状は口腔の灼熱感、物がしみる、痛みなどです。同時に複数見られ、よく再発しますが、あとを残さず約一週間で自然に治るなどの特徴があります。ご質問のように、ひどい痛みを伴って繰り返す方は苦痛となります。
 原因は不明ですが、慢性化する要因は@へんとう炎、咽喉頭炎、風邪などの感染の繰り返しA気道、皮膚アレルギー、感染による過敏症、膠原(こうげん)病などの免疫異常 口腔内のかびによる真菌症 歯科材料などによる金属アレルギーD鉄あるいは亜鉛欠乏症E抗生物質や消炎鎮痛剤などの薬剤―が考えられます。
 原因が不明なため、対症療法が主体となりますが、明らかな誘因があればその除去が必要です。硝酸銀による腐食、ビタミンB剤投与、抗アレルギー剤、痛みの強いときは食前に塩酸リドカインビスカスの使用などの対症療法がありますが、症状がひどいときは副腎(じん)皮質ホルモン剤の塗布や内服が有効です。
 以上、口内炎はまず耳鼻科での診察をお勧めいたしますが、内科的に注意を要する疾患について述べます。かいよう性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患の五―一〇%に、その活動期に一致してアフタ性かいようの合併が見られることがあります。もし、消化器症状がありましたら検査が必要です。
 次に、口腔粘膜の再発性アフタ性かいようで注意を要する疾患はベーチェット症候群です。以下の四つの主要症状があります。@口腔粘膜の再発性アフタ性かいようA皮膚症状‖両側下腿(かたい)に結節性紅斑という痛みを伴った赤いしこりができ、七―十日で消退します 目症状‖再発性前房蓄膿性虹彩炎で、再発を繰り返し、重症例では失明の危険性が高い疾患です 外陰部かいよう‖男性では陰嚢(のう)、陰茎に、女性では大小陰唇、膣(ちつ)壁によく発生します。 ベーチェット症候群の全部の症状が出そろうにはある程度の期間が必要で、定期的に経過を観察する必要があります。以上のような症状がありましたら、リウマチ膠原病専門医を受診することをお勧めします。


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