■琉球新報99年2月19日付夕刊に掲載 

起床時に手指が曲がらずむくむ

問い  二、三カ月前からほぼ毎日のように、朝起きると両手の指が曲げにくくなり、時々むくんでしまいます。両足の裏も痛く、たまに左足首が痛くなることもあります。強い痛みではありませんが、しびれるような感じです。しばらくじっとしていると治まりますが、心配で夜も眠れません。昼寝をした後も同じような症状が出ます。十五年前にも手だけ痛みとしびれがあり、病院でリウマチの検査をしてもらいましたが、異常なしでした。今回はまだ受診していません。

 (女性) 

<答えるドクター>
潮平芳樹(県立那覇病院内科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

慢性関節リウマチの疑い/一人で悩まず早めに受診を
答え
 「起床時に両手の指が曲がりにくく、時々むくんでしまう」というのは 朝のこわばり と 手指の腫脹(しゅちょう) と考えられます。両足の裏も痛く、時に左足関節も痛みがあるとのことです。これらの話を総合すると、二、三カ月間持続する手指や足の関節痛とはれがあり、朝のこわばりがあることから、慢性関節リウマチが最も疑われます(痛みのある関節の部位は慢性関節リウマチの好発部位です)。
 慢性関節リウマチは多発性関節炎の中で最も多い病気で、治療が不十分だと関節の破壊、変形を引き起こします。ですから、早期診断と重症度に応じた適切な治療が行われなければなりません。
 診断基準は@朝のこわばり 三領域以上の関節のはれ 手首や手指の関節のはれ 対称性の関節のはれ 皮下結節Eリウマチ因子陽性 X線検査(骨の破壊)―などからなり、そのうち四つ以上あれば確定します。慢性関節リウマチはこの基準で比較的容易に診断をつけることができます。
 手関節(手首)がはれる場合は、しばしば手根管症候群(はれた腱=けん=が正中神経を圧迫してしびれや筋力低下などをきたす)を合併することがあります。十五年前にリウマチの検査を受け陰性だったとのことですが、リウマチ因子は慢性関節リウマチの一五%で陰性ですので、リウマチ因子が陰性だからといって慢性関節リウマチではないとは言えません。リウマチ因子は診断項目七つのうちの一つでしかありません。
 また、手のしびれについては、手の使いすぎや手根管症候群、頚椎(けいつい)症(頚髄の圧迫症状などにより生ずる)などがあり、鑑別を要します。しかし、十五年前の手のしびれだけでは慢性関節リウマチとは言えませんし、その後の経過からも否定的です。今回の症状とは別のものと考えるべきでしょう。
 数カ月にわたる関節症状ですので、一人で悩まずに病(医)院を受診することを勧めます。


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