■琉球新報99年2月12日付夕刊に掲載 

冬の夜、激しくせき込む

問い 冬になると、私は風邪をひきやすくなります。暖かい昼間のうちは何でもないのですが、夜は激しいせきと痰(たん)が出て、横になっていられないほどです。五年前からは市販のせき止め薬や痰切り薬では効かず、次々と強い薬に変えていますが、効かなくなっています。今はぜんそくの薬と吸引器を使っています。普段からくしゃみや空せきが出るので、一度調べた方がいいのでしょうか。気管支ぜんそくじゃないかと言われたことはあります。

 (女性) 

<答えるドクター>
大滝美浩(県立中部病院呼吸器科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

原因は後鼻漏か気管支ぜんそく/市販のせき止めは短期使用を
答え
 せきも長く続くと不眠や胸痛をきたし生活に支障をきたします。せきはさまざまな刺激で誘発されますが、三週間以上続くせきの原因として、@鼻炎による鼻汁がのど元まで滴り落ちる刺激によるせき(後鼻漏) 胃液が食道まで逆流することによる刺激性のせき(胃食道逆流) ぜんそくによるせき(せきぜんそく)―が三大原因として知られています。
 また風邪をよくひく人には、鼻が悪くちょっとした刺激で水様鼻汁が出てくしゃみが出るアレルギー性鼻炎の人が多いことが知られています。
 典型的なぜんそくでは、気管支系(空気の通り道)がさまざまな刺激に反応して収縮し(狭くなり)、その結果、呼吸が苦しくなります。症状としてゼーゼーやヒューヒューなどの音を感じることが多いのですが、発作性のせきとして感じる人もありますし、風邪が長引くと自覚する人もいます。
 現在、確実に気管支ぜんそくと診断されても、適切な治療を続ければ九割以上の人で発作が起こらないようになります。少なくとも、ぜんそくのために夜間の睡眠不足に悩まされる事態は避けられるはずです。しかし軽症なものでは、最初から適切な診断がつかない場合も多いものです。また症状が薬によく反応することも特徴です。診断の補助となる特殊検査としては、専門医による気道過敏性試験があります。
 胃食道逆流は、典型的なものでは口の中に苦い感じがするとか胸焼けを頻繁に感じるなどの自覚があるものですが、夜間のせきのみが誘発される軽微なものが実は多いことが知られています。正しい診断のためには専門医による診察や特殊検査が必要となります。
 質問の方の症状は、アレルギー性鼻炎とそれに関連した後鼻漏によるせきか、気管支ぜんそくに関連したせきなのか、もしくはその両者の可能性が高いと思われます。
 せき対策としてせき止めが広く市販されていますが、せきの原因となる刺激の治療には全くつながらず、かえって慢性化させることもあるので短期間の使用以外は勧められません。また基本的なこととして、うがいを励行しウイルス感染を防ぎ、寒さなどの刺激を極力避けることも必要です。
 もちろん、あまり長引くせきについては、レントゲン検査や聴診による診察を受けて、肺がんなど器質疾患がないことを確かめるべきでしょう。


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