■琉球新報98年4月24日付夕刊に掲載 

冷たい風で両耳に痛み

問い  十五年ほど前から、冬の冷たい風に当たると両耳の奥に耐えがたい痛みが起こります。冬場に外を歩くと必ずといっていいほど症状が出るので、外に出ないようにしています。昨年夏には初めて台風の強い風でも痛みが起こりました。体が暖まると治まりますが、冬を過ごすのはつらいです。まだ病院には行っていませんが、これは治るのでしょうか。どういう治療内容か、期間はどれくらいか教えてください。

 (女性) 

<答えるドクター>
大輪達仁(浦添総合病院耳鼻咽喉科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

神経性や血管性の痛みか/原因により治療法さまざま
答え
 長期間に及ぶ、寒冷時の両側の耳痛とのことですが、実際、耳痛はわれわれ耳鼻咽喉(いんこう)科医にとってよく接する訴えです。耳痛を起こす病気は非常に多いため、その診断にあたっては、まず情報を集めることが必要です。
 耳は音を集め、脳に伝える働きを持っています。そのため、耳が痛いというほかに、聞き取りにくさや耳の詰まった感じ、耳鳴りがあるかどうか、などが重要になってきます。
 鼓膜の様子や、耳から膿(うみ)が出るとか、耳を押すと痛みが強くなるか、できものができていないか、などの所見も参考になります。そのほか、耳掃除のくせがないか、風邪をひいた後から耳が痛くなったか、などの状況も耳痛の診断上有用です。
 耳自体のほかに、周囲の部分、例えば耳管(耳と鼻をつなぐ管)や顎(がく)関節、副鼻腔(びくう)、歯や扁桃腺(へんとうせん)などの障害でも耳の痛みとして感じることがあります。また、実際は離れた場所でありながら、耳の痛みとして感じる放散痛というものもあり、肩関節や食道、甲状腺などの病気で起こることがあります。
 その他、いわゆる神経痛、特に耳の場合は三叉神経痛や舌咽神経痛などによるものがあります。片頭痛などの血管性の頭痛でも耳の痛みとして感じることがあります。
 痛みの性質もまた、診断の参考になります。持続性の脈を打つような感じなら急性炎症性疾患、刺すような激しい痛みは神経痛、といった具合です。
 痛みの治療はその原因によってさまざまで、まず原因疾患の治療が第一となり、必要に応じて適切な鎮痛剤を処方します。また抗てんかん薬などが有効なこともあります。神経痛では神経ブロックなどを行ったりすることもあります。原因によっては手術が必要なこともあります。治療期間も原因によってすぐ治るものから、長引くだけでなく根治することが難しいものもあります。
 病気の中には、一目見ただけで診断のつくものから、いろいろ調べても原因が不明なものもあります。お手紙から推測すると痛み以外に症状はなく、寒冷時に起きる強い痛みであることから、あなたの場合、神経性や血管性の痛みが考えやすいと思います。ただし、これらは一側性のことが多く、断定はできません。今回の場合、お手紙の内容だけでどういう病気だと決めつけてしまうのは無責任なことと思います。医療機関を受診し、評価をしてもらうことをお勧めします。


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