■平成9年10月3日琉球新報夕刊掲載より 

若白髪は検査すべきか

問い  中学時代から白髪が出始め、高校時代には頭が灰色に見えるほどになり、十八歳からは市販の白髪染めで黒く染めるようになりました。今は白髪の量も増え、髪も傷みがひどく、細く薄くなっています。若白髪は内臓に問題があると聞いたことがありますが、一度詳しく検査した方がいいのでしょうか。その場合、何科でどんな検査になるのでしょうか。白髪は黒くなることがありますか。どんな病気の心配がありますか。今は特に具合の悪いところはありません。

 (23歳・男性) 

<答えるドクター>
 當山兼正(コザ皮フ科)・・・・・・・・・・・・・・・・

病気が原因のことも/他の症状伴えば検査必要
答え
 白毛は、白毛が部分的に島状に固まって生えている「限局性白毛」と、白毛がびまん性に(=広がって)生えている「汎(はん)発性白毛」とに分けられます。
 限局性のものとしては、尋常性白斑(しろなまず)、外傷後、円形脱毛症、内分泌疾患などで見られます。汎発性のものとしては、加齢に伴うもの、若白髪、種々の先天性色素脱失症、後天性の色素脱失を起こす疾患などがあります。成因は、何らかの機転で毛根にある色素細胞が十分に機能しないことによります。
 一般に毛髪の色調は幼少期から思春期にかけて増強、濃色化し、その後は加齢とともに淡色化の道程をたどります。白毛は通常三十歳代から軽度ながら多くの人に認められ、五十代になると個人差はありますが、ほとんどすべての人に認められるようになります。加齢とともに側頭部から始まった白毛化は頭頂部へと拡大し、ひげ、陰毛、わき毛へと波及していきます。
 ご質問からは頭が灰色に見えるとの点から、汎発性の白毛であり、高校時代に灰色毛化したとのことですので、若白髪と考えられます。若白髪は二十歳代で全頭毛の灰色毛化ないし白毛化が見られるものをいい、男性にやや多く、家族性に見られることがあります。
 こういった遺伝的、体質的な場合のほかに、全身性疾患の一兆候として若白髪が見られることがあります。遺伝性の非常にまれな疾患であるウェルナー症候群などの早老症候群は、頭髪の白毛化のほかに、脱毛、白内障、糖尿病などの老化現象が見られるなど、他の全身症状を伴ってきます。
 その他に後天性のままある疾患として、甲状腺(せん)機能高進症、アジソン病などの内分泌疾患、悪性貧血(ビタミンB12欠乏症)の際にも若白髪をきたす場合があります。ネフローゼ症候群、かいよう性大腸炎、吸収不良症候群などによる慢性の栄養障害時や男性ホルモン減少などの場合には、年齢に関係なく汎発性の白毛化をきたす場合があります。
 これら基礎疾患によって引き起こされた若白髪は、原疾患の治療経過によっては色素の改善が見られることがあります。いずれの疾患にしても、その他の症状を伴ってきますので、そういった他の全身症状が認められるようならば内科的検索が必要になってきます。また、汎発性の尋常性白斑による白毛化であった場合には、光線療法が有効な場合があります。
 以上のような基礎疾患が認められない場合、これといった根本的治療法はなく、染毛剤を使うほかありませんが、この場合、染毛剤による頭皮のかぶれや毛髪の痛みへの配慮が必要です。


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