■琉球新報2001年12月22日付夕刊に掲載 

腹部のふくらみ目立つ

問い  二十代で四人を出産しました。そろそろ閉経かと思いますが兆候はなく、生理の出血量も若いころと変わりません。夏の健診で「腹部にやや異常」と出ました。痛みはありませんが、最近おなかのふくらみが目立ち、周囲に妊娠かと間違われることもありました。どんな病気が疑われるのでしょう。

 (女性・45歳) 

<答えるドクター>
渡嘉敷みどり(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

子宮筋腫の可能性も/まずは超音波検査を
答え
 夏の健診で「腹部にやや異常」という結果だったようですが、どの程度の異常と解釈するのか難しいところではあります。また上腹部なのか下腹部なのかといった、異常の部位でも考えられる疾患はいろいろあるといえます。今のところ自覚できる変化は「おなかのふくらみが目立ってきた」ということですので、腹部の膨隆をきたす疾患を考えてみましょう。
 一般には腹部の腫瘤(しゅりゅう=子宮筋腫など)、腸の異常(便やガスの異常な貯留など)、腹水(腹腔=ふくくう=内に液体がたまった状態)、皮下脂肪の過度の沈着、心因性の問題など挙げられます。
 女性の腹部腫瘤で最も頻度が高い骨盤内腫瘤に、子宮筋腫(しゅ)という良性腫瘤があります。その頻度は四、五人に一人といわれますが、そのほとんどは無症状で、健診時に腹部超音波検査を受けたときなどに偶然見つかることが多いものです。女性ホルモンに影響を受けることがあり、妊娠中に大きくなることもありますが、逆に閉経後は小さくなることもあります。
 子宮筋腫はできる部位によって症状が異なります。かなり大きくならないと腹部の圧迫感やぼうこうが圧迫されることによる頻尿などの症状が出ないこともあれば、二aほどの大きさでも、毎月の月経(生理)の際に気をつけて生理用品を交換しても漏れるほどの多量の出血をおこすこと(過多月経)もあります。
 相談者は「二年前に月経が十日間続き、昼間に服を汚すことがあり、また輸血を受けるほどの貧血だった」ということですが、普段の月経はどうでしょうか。もし、月経量が多いようならば、子宮筋腫がある可能性があります。
 また、卵巣はもともと骨盤の奥にあるため腹壁表面からは触れることがなく、卵巣腫瘍(しゅよう)も「無症状腫瘍」という別名もあるように、かなり大きくなるまで症状が出にくいものです。そのため、健診などで偶然見つかることの多い腫瘍といえます。
 それ以外に、腹水といって、腹腔内に液体がたまった状態も腹部膨満の症状を示すことがあります。その原因として先に挙げた卵巣腫瘍や、肝臓疾患などが考えられることがあります。
 いずれにしても、腫瘍や腹水などを鑑別するために、まずは腹部超音波検査が必要と思われます。内科を受診されてもいいでしょうし、月経痛・月経量の異常も気になるようでしたら、先に産婦人科を受診されることをお勧めします。


<健康相談室>メニューヘ