■琉球新報2001年12月15日付夕刊に掲載 

つめに横線が…

問い  今年二月ごろからつめに、コンパスの先で刺したような凸凹の横線が出るようになっています。つめが伸びるにつれて、線も上の方に出てきていました。つめを切るとしばらく見えなかったのに、最近九カ月ぶりにまた出てきています。姉妹にも同じようなことが起きています。また首に水いぼができることもあり、つめの症状との関係も気になっています。

 (女性・38歳) 

<答えるドクター>
具志堅初男(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

全身疾患の心配ない/マニキュアも刺激に
答え
 つめの病変を生ずる原因は大まかに次の三つに分類されます。一つ目は先天性疾患に伴うつめ病変で、生まれつき、あるいは生後まもなくから出現するもので、毛髪や歯牙の異常などを伴います。二つ目は全身性疾患に伴う病変で、原則として左右対称性に手、足のつめすべてに同様の変化を生じます。
 つめの色調の変化として、先天性心疾患での紫藍色調や貧血時の青白さ、アジソン病などの褐色ないし黒色化など。また形態の変化では心肺疾患でのばち状指や低色素性貧血でのさじ状つめが知られており、つめの根元側の皮膚=後爪廓(そうかく)部の変化では、膠原(こうげん)病での血管拡張などがあります。一般に全身性疾患に伴うつめ病変は原病がある程度進行してから発現するものですので、原病を見つけ出すのは難しくはありません。
 三つ目の皮膚疾患に伴うつめ病変では一部のつめにのみ病変を認めることが多く、原因についても多様です。全身性の皮膚疾患の症状の一部としてつめの変化をきたすもの(乾癬=かんせん、へん平苔癬癖など)では、つめ以外にも特徴的な皮膚症状が認められます。
 指や趾(あしゆび)の局所的な病変によるものでは真菌症(水虫、カンジダ症)、細菌感染、湿しん、外傷、腫瘍(しゅよう)などによりつめの病変をきたします。そのさいのつめの変化は白濁、黒色ないし緑色化、あつぼったくなる、うすくなる、もろくなる、ごつごつしてくる、縦線・横線が入る、点状のくぼみができる―など多様で、特定の病気に特異なものではありません。
 ご質問の方の凹凸の横線は一部のつめに時々生じるようであり、普段の健康状態には問題がないようですので、全身疾患については心配はなく、つめ周囲(特に後爪廓部)に限って一時的になんらかの病変か刺激があったため生じたものと思われます。つめ周囲への刺激としては外傷、つめをいじる癖、マニキュアの使用などが挙げられます。
 次に頚部(けいぶ)のいぼについては、有茎軟腫(糸状線維腫、軟性線維腫ともいいます)だと思われます。有茎軟腫は正常皮膚色ないし黒褐色の、根元にくびれがある柔らかいいぼで、米粒程度の大きさのものです。思春期ごろから発生しますが三十歳以降に増加、多発してきます。好発部は頚部・胸部・わきの下などです。原因は不明ですが皮膚の老化現象の一種であるとの見解もあります。良性のいぼですので放置してもかまいませんが、 液体窒素による凍結療法、電気メスで焼く、直接ハサミで切るなどの方法で簡単に取り除くことができます。ご質問のつめの変化といぼとは特に関係はありません。姉妹に生じたことについてもご心配なさらなくても良いと思います。つめの病気やいぼについてのご相談はお近くの皮膚科医院を利用されると良いでしょう。


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