■琉球新報2001年12月1日付夕刊に掲載 

手や腕にしびれ

問い  第三子を出産後、夜中や朝目覚めると、手や腕がしびれていることがあります。第二子出産後にも一年半ほど、同じようなことがありました。指の関節にも軽い痛みがあり、最近では日中でも続いているので、時々曲げたり広げたり、軽く指の体操のようなことをしています。病気の前兆なのかと気掛かりです。

 (40歳・女性) 

<答えるドクター>
東江正芳(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

慢性関節リウマチ/20―50歳代、産後に多い
答え
 第三子出産後、夜中に手や腕がしびれ、最近は指の関節にも軽い痛みがあるとのご相談から、次の三つの病気を考えました。それは、慢性関節リウマチと、手根管症候群、胸郭出口症候群。なかでも相談者の場合は、慢性関節リウマチが強く疑われますので、それについてお話しいたします。
 この病気は女性の二十歳代から五十歳代にかけて多く発病し、しかもお産後に症状が出てくることが多いようです。相談者も四十歳の女性で、お産後に症状が出ていることを考え合わせますと、いっそうこの病気が疑われます。慢性関節リウマチの特徴的な症状は、朝のこわばり(グーがしにくい)とか、手の指や、足の趾(ゆび)がはれて痛くなることが初期の症状のようです。そのほかに、手関節、ひざ関節にもはれや痛みや熱感を伴うことがあります。また、このような症状が両側に生じることも特徴的です。
 診療科は、内科や整形外科でももちろん十分に診てもらえますが、最近は新しくリウマチ科ができましたので、最寄りのリウマチ科を受診されてはいかがでしょうか。そこで血液検査をしてもらい、リウマチ因子、C―反応タンパク、血液沈降速度が陽性で、しかもγ―グロブリンが高値でしたら、いっそう慢性関節リウマチが疑われます。最近は、抗ガラストース欠損IgG抗体の検査もあり、それが初期診断に有効です。レントゲン検査は、病気の初期には、骨の変化があまり出現しませんので、血液検査よりは診断力は劣るようです。ほかの骨の病気を否定するという意味では必要ですが。
 慢性関節リウマチの治療についてお話しします。最近の初期治療は以前と比べ著しく進歩、変化しました。以前は基礎療法をしてから段階的に薬物療法をしておりましたが、最近は多くの抗リウマチ薬が出現し、初期から抗リウマチ薬や免疫抑制剤を強力かつ十分に使い分け、良い治療結果が出ております。しかし抗リウマチ薬や免疫抑制剤にはそれなりの副作用もたくさんありますので、自分の主治医と話し合いをして理解をし、十分に納得してから治療を開始してください。
 次に手根管症候群と胸部出口症候群についてですが、手根管症候群は、手関節にある手根管という穴の中を、神経、血管腱(けん)の合計十一本が通過しているのですが、そこがはれたり、異物で狭くなると神経(正中神経)が圧迫され、主に第三指がしびれる病気です。この病気も妊娠中の女性に多いような印象をもっております。
 また胸郭出口症候群は肩甲部と第一ろっ骨間で腕神経叢(そう)の圧迫によって腕に痛みやしびれが生ずる病気です。原因はいろいろですが、これも女性(特になで肩の女性)に多いような印象をもっております。最寄りの整形外科を受診することを勧めます。


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