■琉球新報2001年11月24日付夕刊に掲載 

両足首付近が膨らみ痛む

問い  二カ月ほど前から、両足首のアキレスけんの辺りが痛み、最近は歩き方もひょこひょこした感じになってきています。膨らんで、触っても痛みがあります。家族の介護をした関係で、足に負担がきたのかも知れません。このまま進行すると心配です。診療科と、自宅でもできる治療法があったら教えてください。

 (75歳・女性) 

<答えるドクター>
島袋博之(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

アキレスけん炎/適切な治療で進行せず
答え
 相談者の方は症状から両方のアキレスけん周囲炎またはアキレスけん炎と考えられます。これらの疾患は若年者では、スポーツトレーニングでの繰り返し動作がアキレスけんに対する大きな負担となり、発症することが多いのですが、中高年者では、加齢によるアキレスけんの変性、下腿(かたい)三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の筋力、柔軟性の低下が原因となります。相談者の方の場合、そういう状態のところに、家族の方の介護でアキレスけんに負担がかかり、発症したと考えられます。
 アキレスけん周囲炎はアキレスけん自体は正常で、パラテノンというアキレスけんを覆う膜に炎症がおこり、厚くなり、アキレスけんと癒着をおこしたもので、アキレスけん炎はアキレスけん自体に小さい断裂を生じ、変性、硬化したものです。両方の状態が混在することもあり、臨床的に両者を鑑別することは困難です。どちらもちゃんと治療すれば、症状は進行することなく改善し、歩行困難など日常生活に支障をきたすことはありません。
 まず整形外科を受診してください。診察、レントゲン撮影、超音波検査、血液検査などでアキレスけんの不全断裂、慢性関節リウマチなどを除外診断後、アキレスけん周囲炎、アキレスけん炎の治療を行うことになります。
 治療の主体は保存療法で、局所の安静、温熱療法、超音波などの理学療法(リハビリ)、湿布を行ない、炎症の強い場合には消炎鎮痛剤の内服を行います。痛みの強い急性期には局所麻酔剤の注射もありますが、アキレスけんの断裂や変性をおこすことがあり、専門医の慎重な対処が必要です。
 また、靴や足底板(靴の中に敷きこむ装具)を使って踵部(かかと)を高くして、歩行時にアキレスけんの負担を軽くする方法もあります。相談者の方の場合、要介護の家族の方がいらっしゃるようですので、局所の安静は困難かもしれませんが、可及的に安静を守り、外来通院でリハビリなど治療を継続していただきたいと存じます。リハビリの主体はもちろんアキレスけん部ですが、そこばかりでなく、介護で無理のきた足腰など体全体のリハビリを行う必要があります。
 自宅でもできる治療法として、運動後、熱をもった感じがあるときの冷却マッサージ、ある程度症状が落ち着いた後の、入浴後の下腿三頭筋からアキレスけんにかけての運動、下腿三頭筋の筋力強化訓練などがあります。整形外科を受診し担当医と相談してください。


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