■琉球新報2001年10月20日付夕刊に掲載 

視界周辺がちかちか

問い  十年ぐらい前から視界の片隅にちかちかしたものが見えます。テレビ番組終了後のザーッとした画面のようなもので、それが次第に視界周辺になり、視点が合っていないような気がします。また三十分ぐらい頭痛がし、嘔吐(おうと)もあります。症状が出るのは二年に一回の時もあれば、一年に二回の時も。眼科に行ったのですが、問題ないといわれ、脳の検査でも異常なしといわれました。貧血ではといわれましたが、どの科を受診したらいいのでしょうか。予防法などはありますか。

 (28歳、女性) 

<答えるドクター>
神里尚美(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

片頭痛の予兆か/閃輝暗点…嗜好品も誘因に
答え
 ご相談の症状は、「片頭痛」とその予兆である「閃輝暗点(せんきあんてん)」と考えられます。片頭痛は、筋緊張性頭痛に次いで多くの人を悩ませている慢性頭痛の代表です。人口の10%、特に二十―三十歳代の女性では20%弱が悩んでいるとされ、日常生活や仕事に支障を来している人も少なくないと思われます。
 片頭痛の症状として、(1)心臓の鼓動に合わせてズッキン、ズッキンと痛む(2)頻度は月に一〜二回、持続は四〜七十二時間、部位は片側・両側いずれもあり、前、側頭部が痛むことが多い(3)吐気や嘔吐を伴ったり、体を動かしたり頭を振ると痛みがひどくなる(4)予兆として、空腹感・生あくび・眠気・視野周辺に現れる閃輝暗点(5)片頭痛発作のない間欠期は全くの元気で、検査でも異常がない―などです。
 重要なことは、片頭痛には種々の誘因があり、例えば(a)食べ物(ワイン、ソーセージ、コーヒーなど)。筆者が治療した男子高校生の症例は駄菓子の乾燥梅干(うまみ成分のグルタミン酸)が誘因(b)食事を抜く・体重減少(c)月経の前後(d)経口避妊薬の過度の使用(e)天候や気圧(f)週末やストレスから解放された後(g)睡眠不足または睡眠過多(h)喫煙などがあります。
 頭痛カレンダーをつけてみると自分の誘因が分かり、ひとつの誘因を避けるだけでも片頭痛の頻度が減る場合があります。
 片頭痛の成り立ちを大まかに説明すると、何らかの原因によって血小板から過剰に放出されたセロトニンという生理活性物資が血管を収縮させ(この時に片頭痛の予兆症状を来す)、その後にセロトニンが代謝分解され枯渇(こかつ)すると、頭蓋内外の血管が過度に拡張し、拍動性の頭痛を生じるとされます。
 女性に比率が高いことから女性ホルモンの影響、また母親も娘も片頭痛であるなど遺伝的要因も考えられていますが、片頭痛発生源が何なのかは、まだ明らかにされていません。
 最近は新しい治療薬が増え、薬の選択肢が増えています。「たかが頭痛、されど頭痛」で、そのつらさは、なかなか他人には理解してもらえません。独りで抱え込まず病院で診察を受け、自分の頭痛のタイプを知り、適切な薬を処方してもらうこと、片頭痛攻略のためのセルフケアの方法を知ることが大切です。


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