■琉球新報2001年10月6日付夕刊に掲載 

肩甲骨に痛み

問い  三カ月前から、肩甲骨に痛みがあります。レントゲンの結果、骨に異常はありません。肩を動かせば、コツコツと音が出ます。そして、ひじがひりひりしたり、わき下の筋肉が痛い時があります。右手より左手の方が小さくなっているように感じてきました。よい治療法を教えてください。

 (54歳・男性)  

<答えるドクター>
呉屋勲(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

麻痺あれば要注意/首、肩関節などに障害か
答え
 文面を読んだだけでは、分かりづらいのですが、首、肩甲帯、肩関節の三カ所のうちいずれかが、あるいはそれらが重複し、障害がおきている可能性があります。以下にそれぞれについて説明します。
 まず、首です。首に障害があると、頭を支える筋肉が凝ってきて、肩甲骨周囲に痛みが生じやすくなります。さらに神経に障害が及ぶと、肩、腕、ひじ、手などにひびいていく痛み、しびれが生じ、その痛みは、首の動きにより強くなったり、弱くなったりします。また、神経の障害は、麻痺(まひ)として現れることもあります。知覚麻痺(例えば、痛み、触った感じがにぶくなる)、運動麻痺(例えば、腕が挙げづらい、握力が弱くなる)を認める場合には、注意を要し、より詳しい検査が必要です。検査は、レントゲン以外にMRIなどがあり、MRIは、身体に害が少なく簡単にでき、レントゲンに写らない骨以外も写り、神経、椎間板(ついかんばん)をみることができます。
 次に考えられるのは、肩甲骨周囲の障害です。肩凝りを主体とする、頸(けい)肩腕症候群、筋肉、骨が神経、血管を圧迫し、生じる胸郭出口症候群があります。どちらも、肩甲骨部の痛み、肩、腕、ひじ、手などへの痛みを生じますが、神経障害を認めた場合には検査を必要とします。胸郭出口症候群の特徴的な所見として、腕を挙げ、手指を動かすと、腕がだるくなったり、しびれ、痛みなどが強くなります。
 最後に考えられるのは、肩関節です。腱板(けんばん)という薄い筋が、関節をつつんでおり、そこに障害がおこると、腕の動きで痛みが生じ、腕が挙げづらくなります。夜寝返りすると痛みが強くなり眠りづらくなることや、骨と骨がすれ、コツコツ音が出たり、ひじまで痛くなることがあります。ここで大切なことは、腱板が切れているか、いないかです。レントゲンには写らないのでMRIなどの検査が必要となります。
 文面からは、大体以上のことが考えられます。簡単に診断することができないので、治療を考える前に、首、肩関節の詳しい検査をされ、正確な診断をしてもらうことを勧めます。正確な診断ができればよい治療が可能となると思います。


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