■琉球新報2001年9月1日付夕刊に掲載 

生理が止まる病気とは?

問い  独身時代から生理不順でしたが、幸い二人の子供に恵まれました。出産によって体質が変わったからか、不順も改善されてきたかに見えましたが、第二子を出産後、一年半を過ぎるころから不順気味となり、昨年十月から生理が完全に止まりました。最近、疲れがとれない、イライラする、家事をする気にもなれないなど実母の更年期障害の症状に似ているような気もします。生理が止まる病気や異常とはどんなものでしょうか。

 (27歳・女性)  

<答えるドクター>
野原理(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

検査が必要/排卵誘発剤での治療も
答え
 以前まで生理があったのに、何かの原因を契機として三カ月以上生理が見られなくなった場合、これを続発性無月経といいます。この方の場合、第二子出産後も生理が順調であったにもかかわらず、一年半後より生理不順、さらには生理がなくなったことから、病的な無月経と考え、検査が必要と考えられます。
 病的な無月経の原因は、主に(1)子宮の障害(2)卵巣の障害(3)間脳や脳下垂体の障害に分けられ、(3)が約80%を占めています。(1)の原因としては、流産など子宮内の処置により子宮の中に癒着(ゆちゃく)や炎症が起こり、生理が起こらなくなってしまうものです。(2)の原因は、頻度は低いのですが、卵巣の機能不全です。この場合、卵巣から分泌される女性ホルモンが低下してしまい、更年期女性と同様になり、治療はかなり困難であります。また(3)の原因は、極端な肥満あるいはやせなどの急激な体重変化、ストレスおよび強いショックなど心因的なものが多く、また産後の大出血や脳下垂体腫瘍(しゅよう)に起因することもあります。さらに、妊娠していないにもかかわらず乳汁の出る場合には、無月経の原因としてとくに頻度が高いとされる乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)が高いことに起因するものが考えられます。これ以外にも、多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群、内科的疾患に起因するもの、また原因不明なものが多数あります。
 治療法ですが、(1)については子宮の中の癒着、炎症を治療することにより改善が望めます。(2)あるいは(3)の場合、それぞれの原因の除去が最初の治療となります。それでも改善しない場合に、妊娠の希望があれば排卵誘発剤を、なければ女性ホルモンの投与により生理を起こさせることが可能です。ご質問の方の場合、おそらく女性ホルモン剤の治療を受けたと考えられ、軽症の場合はプロゲステロンというホルモン剤の投与だけで生理を起こさせることが可能ですが、重症の場合にはエストロゲンとプロゲステロンの二種のホルモン剤が必要となります。また、ご質問の方の場合、三年後に妊娠の希望がありますので、まずは原因を調べ、それに対する治療が優先されます。それでも生理がない場合、女性ホルモン剤の治療を行い、妊娠の希望がある時に排卵誘発剤を用いた方がよいと思われます。いずれにせよ原因の精査および治療法は患者さんにより異なりますので、この分野の専門医によく相談することが大切と考えられます。


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