■琉球新報2001年6月30日付夕刊に掲載 

ヘバーデン結節の対処法

問い  五年前から右手薬指の第一関節がはれ、痛みがあり、つめも変形している。病院で診断してもら ったところ、レントゲンで関節が溶けているのがみられ、ヘバーデン結合と言われました。医師から は左右対称に症状が出ると言われました。最近になり、左手中指に同じような症状が出てきまし た。手足以外にも症状が表れる病気なのか心配です。手術しても治らないと言われましたが、治ら ない病気なのか、原因と症状が進行しないような対処法を聞きたい。

 (48歳・女性) 

<答えるドクター>
外間 浩(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

変形性関節症の一つ/はり薬やテーピングを
答え
 お話の内容からすると、典型的な症状を呈したヘバーデン結節と診断されます。結節とは指の第 一関節の背側にできる骨の変形による膨らみのことをさし、本疾患を最初に報告したヘバーデン博 士にちなみ「ヘバーデン結節」と呼ばれています。
 単発性のものは外傷などが原因と考えられますが、多発性のものは原因不明でヘバーデン結節 と呼ばれています。一般に四十歳代の女性に比較的多く発生します(男性の十倍)。症状は人指し 指から小指の第一関節が左右対称性に赤くはれ、痛みを伴います。全指同時にでるとは限りませ ん。症状が複数の指に同時にでた場合、患者さんはリウマチではないかと心配されますが、リウマ チではありません。
 つめの変形がおありのようですが、これは関節の変形のために関節包が部分的に破れ、そこか ら漏れ出した関節液が腫瘤(しゅりゅう)になり、つめの根元を圧迫するために起こる現象です。こ の腫瘤はミューカスシスト(粘液腫)と呼ばれています。つめの変形は粘液腫を切除する事で治せま す。この粘液腫は小さいうちは皮膚表面からあまりはっきり見えませんが、大きくなると水ぶくれの ように見えるようになります。この状態ではちょっとした外傷でも破裂し易くなり、破裂した場合、そこ から菌が関節内に侵入し化膿(かのう)することもありますので注意が必要です。レントゲンで関節 が溶けているのがみられたとおっしゃっていますが、骨が溶けるのは化膿性関節炎にみられるレン トゲン所見ですので、もし粘液腫の破裂により菌が入り関節が化膿しているようでしたら切開が必 要です。
 本疾患の治療法は、局所の安静、はり薬、塗り薬、テーピングが中心となります。痛みや炎症が 強い場合は消炎鎮痛剤を使用します。テーピングは二十_前後の幅の細いテープを第一関節周 囲にぐるぐるまいて、関節の動きを抑えるようにするとよいでしょう。この方法は局所の安静と変形 の予防にもなります。しかし、変形が進行し痛みが残り、日常的に支障をきたすような場合は手術 的に関節を固定する方法を行うこともあります。
 この疾患は加齢に伴ってみられる変形性関節症の一つです。他の関節にまで広がるようなことは ありません。個人差はありますが、数年のうちに症状は落ち着きますので気長に治療を行ってくだ さい。


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