■琉球新報2001年6月23日付夕刊に掲載 

3歳4ヵ月の孫(男子)のX脚

問い  三歳四カ月の孫(男子)の脚がX脚のようです。整形外科を受診したら、骨がやわらかいだけなの でほっておいていいと言われました。普段の生活に支障はありませんが、五歳までに脚の形が決ま るという話も聞き、心配です。治療をした方がいいのでしょうか。

 (50歳・女性) 

<答えるドクター>
古堅隆司(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

治療は装具矯正が原則/経過観察し判断を
答え
 小児の下肢(脚)の変形には、内反膝(O脚・がにまた=気をつけの姿勢で足首の内側はついて いるが、膝(ひざ)の内側が離れているもの)と外反膝(X脚・うちまた=膝の内側はついているが、 足首の内側が離れているもの)の二つがあります。
 ご質問の内容は、外反膝(X脚)についてですが、小児期の下肢変形の中で最も頻度が高いのが 生理的O脚ですので、小児の下肢の変形全般についてお話ししてみたいと思います。
 小児の下肢の形は、出生時―二、三歳まではO脚、三―五歳まではX脚、四、五歳―でO脚と年 齢とともに変化して、成人の下肢の形へと変わっていきます。
 小児の下肢の変形には(1)生理的なもの(成長の過程で現れ、成長に伴い改善されていくもの) (2)病的なもの(くる病、骨系統疾患=先天性の骨関節の病気)(3)外傷(骨折・骨端線損傷)など がありますが、生理的なものと病的なものを鑑別することが大事です。生理的なものは両側の下肢 に同じような変形を認めることが多く、病的なものは(1)身長が低い、体に比べて手足が極端に短 い(2)片側の下肢だけ変形している(3)家族の中に同じような変形を持っている人がいる(4)極め て強い変形がある(5)足の変形(内反足、外反足)があるなどの特徴を認めます。
 診断は、下肢全長レントゲン撮影を行い、膝外側角(膝の外側の角度)という角度を計測して、変 形の程度を評価しております。この他にも別の角度の計測や関節の形、関節のゆるみ、病的なも のの特徴の有無などをチェックして、治療法を総合的に判断します。
 治療は、まず保存療法(手術によらない治療、装具療法)が原則です。ほとんどのO脚、X脚は手 術的治療になることはありませんが、病的なものやO脚の一部(ブラント病など)では装具で矯正で きない場合や強い変形が残る場合は手術的治療を選択することもあります。しかし、治療について は専門家の間でも、いまだに意見が分かれているところです。
 お孫さんは、三歳四カ月で、最もX脚の強い時期と思います。一度整形外科を受診されており、レ ントゲンチェックをされておりますので、生理的なX脚が考えられます。生理的なX脚の場合、八歳ぐ らいまでは経過観察し、その時点で最終方針を決定してよいという報告もあります。現在の年齢か ら考えて、経過観察でよろしいかと思いますが、ご心配であれば、主治医の先生に相談なさるか、 専門医を受診されてはどうでしょうか。


<健康相談室>メニューヘ