■琉球新報2001年4月21日付夕刊に掲載 

更年期の対処法は

問い  女性でありながら、自分の体の「生理」について全く知りません。年齢のこともあり、「更年期」 にどんな症状があり、どう対処したらいいのか教えてください。子供を産める年代はいつまでという のがあるのでしょうか。

 (52歳・主婦) 

<答えるドクター>
松田協子(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

ホルモン補充療法で/運動や趣味で不快感軽減
答え
 生きものとしてみたとき、女性の生理・更年期はどのような意味があるのでしょうか。自然界 においては、生きものは生まれて成長し、繁殖期を迎えやがて死んでいくという過程をとり、繁殖が 終わったら死を迎えるようにプログラムされています。
 ところが人間はもともと平均寿命が四十歳であったところが、文明や科学の進歩により寿命が延 び、日本人女性の平均寿命は八十歳を超えました。しかし生殖能力の終わり(閉経)は昔から変わ らず五十歳前後です。つまり昔は更年期・老年期の心配はなかったのですが、現代の女性は閉経 してからの三十年を女性ホルモンの働きなしに、元気に過ごす必要がでてきたのです。
 では閉経するとどういうことが起こるのでしょうか。
 閉経が近づくと卵巣機能が衰えて女性ホルモン分泌が急激に減ります。すると一般的な症状とし て、のぼせ、発汗、動悸(き)、めまい、手足の冷え、肌荒れ、肩こり、関節痛、頻尿、尿失禁、性交 痛などがみられるようになります。
 これらの症状は個人差があり、全く感じない人もいれば精神的にうつ状態になったり簡単な家事 さえもできなくなる人もいます。しかし普通は数年で自然に軽減・消失します。またこれらの一時的 な症状以外に、長期的な女性ホルモン欠乏が、骨粗しょう症や動脈硬化、心筋梗塞(こうそく)、脳 卒中とも深くかかわっていることがわかっています。つまり女性ホルモンは、単に女性らしさを保つ だけでなく、成人病を防ぎ、からだを健康に保つ役割ももっているわけです。
 では、私たちは女性ホルモン欠乏の三十年間にどう対応したらよいでしょうか。
 その答えの一つがホルモン補充療法です。薬で女性ホルモンを補う方法です。卵巣から分泌され ていた量よりも少量のホルモンで、更年期のさまざまな症状が解消されます。また長期に使うと骨 粗しょう症や動脈硬化などを予防する効果もあります。
 このほかには、更年期障害に対しては漢方薬や自律神経調整薬を使うこともあります。また症状 が軽い場合は運動をしたり趣味に打ち込んだりして生活を充実させ、不快感を軽くするのも効果が あるでしょう。
 骨粗しょう症については、初期には症状は出ませんから骨量の検査を受け、自分の骨量がどのく らいか知ることが必要です。結果に応じてカルシウムやビタミンDの摂取を増やす、運動する、薬物 療法を受けるなどの対応が必要でしょう。
 最近は更年期・老年期を健康に過ごすための医療が充実してきました。人生の残り三十年以上 を健やかに過ごすためのよい方法について最寄りの産婦人科医にご相談ください。


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