■琉球新報2001年3月31日付夕刊に掲載 

腎結石に悩む

問い  大きな腎(じん)結石に悩んでいます。昨年九月の人間ドックで左腎結石縦三・五a、横三aのサンゴ 状の結石があり、泌尿器科を受診するよう指示されました。泌尿器科では結石の除去を体外衝撃波結 石破砕技術で行うよう勧められましたが、頻繁に通院しなくてはならないのでためらいがあります。痛み もなく、排尿困難もないのですが、腎結石治療について、手術以外にどんな治療があるでしょうか。

 (70歳・主婦) 

<答えるドクター>
諸角誠人(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

20人に1人が罹患/衝撃波と内視鏡手術併用を
答え
 腎結石は腎盂(う)、腎杯という尿路に存在し、尿管結石とともに先進諸国で多く見られる疾患です。 日本も例外ではなく、二十人に一人はその一生のうちに罹患(りかん)するとも言われています。食生 活と密接な関係があることから、生活習慣病のひとつと考えられています。
 大きな腎結石は腎盂、腎杯の形となるため、鋳型結石やサンゴ状結石と呼ばれることがあります。腎 結石の大部分はシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどのカルシウム含有結石ですが、サンゴ状 結石ではリン酸マグネシウムアンモニウムが多いようです。リン酸マグネシウムアンモニウム結石は、 プロテウスミラビリスを代表とする尿素分解酵素をもつ細菌による尿路感染症と密接な関係がありま す。
 腎結石の治療は以前、開腹手術による腎切石術や腎盂切石術を施行していました。しかし、現在で は行われることがほとんどなく、体外衝撃波結石破砕術や経皮的腎結石砕石術に替わりました。
 体外衝撃波は特殊な装置のベッドの上に横になり、結石の位置をエックス線や超音波で確認し、体 の外から強い力を結石に加え破砕する治療です。二a以下の比較的小さな結石では成功率が九〇% におよびますが、大きくなるに従い成功率は落ちます。また、結石の位置する場所によっては砕石して も排石できないことや、砕石し過ぎて小さな結石が尿管に多数はまり込んで流れなくなるstone street を作ってしまうこともあります。
 一方、経皮的腎結石砕石術は全身麻酔下に行われる内視鏡手術で、皮膚から腎臓に指の太さほど の穴を開け、そこに内視鏡を入れて腎結石を直接観察しながら破砕する手術です。内視鏡が挿入でき れば、確実に結石を破砕、摘出できますが、出血などの合併症があり体外衝撃波に比べ患者さんへ の侵襲が大きいという欠点もあります。
 ご質問のような三aを超す大きなサンゴ状結石では、体外衝撃波単独治療では複数回の破砕が必 要であり、stone streetをつくらないためにあらかじめ尿管内へ細い管(カテーテル)を留置することも 必要です。また、体外衝撃波と経皮的腎結石砕石術との併用により九〇%以上の成功率が得られる という報告があり、両者の併用をお勧めいたします。
 このほか、経皮的腎瘻(じんろう)から溶解液を流す溶解療法もありますが、多少入院期間が長くなり ます。


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