■琉球新報2001年3月24日付夕刊に掲載 

両手の前腕にしびれ

問い  一年ほど前から寝たあとに両手から前腕の半分がしびれるような症状が週に一、二回あります。正 座の時に感じるようなしびれで、ひどい時には手首に近い部分までしびれを感じます。手のひらの血の 気がなくなったような感じで、もみほぐすとしびれはなくなります。最近は頻繁に症状が出るので心配で す。ほかに首の左側に痛みがあり曲げにくいです。専門に診てもらえる病院、担当科を教えてくださ い。

 (49歳・女性) 

<答えるドクター>
普天間朝上(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

整形外科の受診を/頚髄症の可能性が大
答え
 手のしびれを生じる疾患として、次のような疾患があります。
 (1)大脳障害 脳出血や脳梗塞(こうそく・血管がつまること)を起こしますと急に症状が発現します。 高血圧の方で、力んだ時や寒い時に症状が発症することが多く、しびれ以外にも片麻ひを伴います。
 (2)頚椎(けいつい)疾患 椎間板ヘルニアなどで脊髄(せきずい)を圧迫する(頚髄症・けいずいしょ う)と両手足のしびれを生じ、手指の細かい動きができなくなったり、痙(けい)性歩行(跳ねるような歩 き方)をきたすこともあります。脊髄から末梢(まっしょう)神経の枝を出す根元のところで神経を圧迫す ると神経根症を生じ、片側上肢のしびれや運動麻ひが出現します。
 (3)胸郭出口症候群 頚部から肩にかけての部位で神経、血管が圧迫、けん引されると頚部〜肩の 疼痛(とうつう)やこり、上肢のしびれなどが出現します。なで肩の女性に多く、重い物を持つ、手を挙上 して仕事をする、リュックサックを背負うことで症状が出現します。
 (4)正中神経麻ひ 主に手首で圧迫されることが多く(手根管症候群という)、親指から薬指の親指側 の半分のしびれを生じ、症状が進むと親指が動かしにくく力が入らなくなります。夜間や朝方に強いし びれが生じ、目が覚めることが特徴の一つです。
 (5)尺骨神経麻ひ 肘部(ちゅうぶ)で圧迫されることが多く(肘部管症候群という)、薬指の小指側と 小指のしびれを生じ、症状が進行すると薬指と小指がきれいに伸びない、指の外転(じゃんけんのパー をすること)ができなくなります。ひじを強く曲げたままにするとしびれが強くなります。
 (6)糖尿病性ニューロパチー 糖尿病によって末梢神経障害をきたします。この場合は母指から小 指にかけて指先がしびれます。糖尿病の方の末梢神経は圧迫に弱く手根管症候群を合併することもあ ります。
 相談者の方は一年くらい前から寝た後に両側の手から前腕の半分(小指側)がしびれており、また首 の痛みと運動制限があることから頚髄症が最も疑われます。
 頚髄症は、手指のしびれから発症し、徐々に進行しおはしが使いづらい、ボタンが掛けにくいなどの 運動障害が出現します。うつ伏せで寝ることで首を伸展(上をみるような格好)したり、高いまくらの使用 で首を強く屈曲(うなずく格好)すると起床時にしびれを感じる方もいらっしゃるようです。頚椎けん引や ホットパックなどのリハビリや薬物療法で治療を行いますが、症状が改善しない場合は手術が必要とな ることもあります。
 相談者の内容からでは頚髄症のほかに胸郭出口症候群や肘部管症候群などとの鑑別が必要と思 われますので、まずは最寄りの整形外科の受診をお勧めします。


<健康相談室>メニューヘ