■琉球新報2001年1月20日付夕刊に掲載 

ED(勃起障害)とは

問い  夫(四十四歳)のことで相談します。夫はコンピューター関連の会社に勤める会社員です。最近、かな り仕事のストレスがあるのか、帰宅後は少々無気力で、夫婦生活も途絶えがちで心配です。そんな折、 新聞紙上、テレビなどでEDという言葉を知りました。EDとはどのような病気のことでしょうか。夫に問題 があるようでしたら、どうすればいいのか助言をお願いします。

 (40歳・主婦) 

<答えるドクター>
石津 宏(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

心因性の可能性も/内科、泌尿器科的検査を
答え
 EDとは、erectile dysfunctionの頭文字をとった略語で、男性の陰茎の勃起障害(ぼっきしょうが い)のことです。
 これまではインポテンス(インポテンツ)と言っていましたが、これには無能者、ダメ人間などの蔑称の 意味も含まれるために国際的には゛impotence゛に代わって゛erectile dysfunction゛という用語が最 近では用いられるようになりました。日本の医学会もこれに合わせて「インポテンス(インポテンツ)」の 代わりに「勃起障害」とか「ED」と呼ぶようになっています。
 EDはさまざまな原因で起こってきます。大きく分けると交通事故などで陰茎そのものや勃起をつかさ どる神経や血管が傷害されて引き起こる「器質的ED」と糖尿病や肝臓病や腎臓(じんぞう)病などの身 体疾患やうつ病などの精神疾患に伴って二次的に勃起不全が起こる「症候性ED」と心理的な要因に よって引き起こされる「心因性ED」の三つがあります。
 前立腺(せん)がんや直腸がん、大腸がんなどの大手術のあとに勃起障害が起こってきたものは「器 質的ED」に入りますし、慢性のアルコール中毒や長期間の薬物服用による勃起障害は「症候性ED」 に属します。これに対して身体的にも精神的にも何ら病気はないのにストレスや環境不適応などによる 勃起不全は「心因性ED」に含まれます。
 ご主人の場合には最近かなり仕事のストレスがあるとのことですので、「心因性ED」が最も考えられ ますが、「器質的ED」や「症候性ED」を鑑別して除外する必要がありますので、まず内科的に糖尿病 や肝臓・腎臓などの検査を受けてください。内科的に問題がなければ、次に泌尿器科的に陰茎・陰茎 を支配する神経や血管、男性ホルモンなどの検査をしてもらい、異常がないことを確かめてください。
 これらすべてに問題がなければ、「心因性ED」と診断されますので、心療内科で心身医学的な治療 を受けるようおすすめします。心理的なストレスを軽減し、心身の疲労を回復すれば、夫婦生活も回復 すると思われますが、最近sildenafil(シルデナフィル、薬品名・バイアグラ)というEDによく効く新薬が 開発されていますので、バイアグラの治療を試みるのもよいでしょう。ただし、バイアグラは狭心症など の心臓病の治療薬(ニトログリセリンなどの亜硝酸製剤)等と併用すると生命に危険な副作用が生じる 恐れがあり、必ず医師の診断と処方を受けて服用してください。インターネットなどの代理販売で入手、 服用するのは危険です。
 バイアグラの処方はEDの専門医なら内科、泌尿器科、心療内科のいずれでも受けることができま す。


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