■琉球新報2000年12月2日付夕刊に掲載 

夜間の頻尿に悩む

問い  昨年夏に「前立腺の初期」と診断され、夜間の尿を制限する薬を飲んでいますが、そのせいか眠りが 浅く、快眠できません。毎晩のことなのでストレスがたまる一方です。家にある安定剤を半量ほど飲む と良く眠れるので、常用するようになっています。その場合でも夜中に一、二回はトイレへ行きます。眠 りが浅いことも前立腺の影響なのでしょうか。

 (70代・男性) 

<答えるドクター>
大城 清(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

要因には内科的病気も/泌尿器科を受診して
答え
 ご質問の趣旨の排尿回数が多く睡眠不足がちである、それは前立腺の影響ではないかと心配である と解釈しました。
 夜間の排尿回数が多いことを夜間頻尿と称します。夜間頻尿は患者さんにとってもわれわれにとって も大変やっかいな問題です。
 患者さんは当然睡眠不足になり、昼夜を問わずぼんやりして転落転倒事故の要因になります。骨折 でもしようもならば寝たきりになりかねません。
 夜間頻尿は解明されていないことが多い症状です。完ぺきに治せるかと問われたら、疑問符がつき ます。
 必ずしも、前立腺の病気だけで説明できるものではありません。前立腺は男性特有のものですが、 前立腺がない女性の方々にも夜間頻尿を訴えられる方が多くいらっしゃいます。
 さて、排尿回数は一日尿量÷機能的膀胱(ぼうこう)容量(膀胱の大きさ)で決まります。尿量が増え ているか、膀胱が小さくなっているか、あるいは両方共にあれば排尿回数は増加します。
 尿量が増えているか、膀胱が小さくなっているかをはっきりさせるためには排尿記録(排尿日記)が良 いでしょう。何時何分に何_gの排尿があったか、何時何分に何_gの飲水をしたかを記録します。
 尿量が増加する原因は多岐にわたります。どちらかといえば内科で治療される病気が多いです。
 水分をたくさん摂取すると当然尿量は増えます。単に生活習慣の場合もあれば、口やのどが渇いて 飲水せざるを得ない場合があります。糖尿病などの内科的な重大な病気の症状かもしれません。
 水分をそれほど摂取していなくても、夜間に尿量が増大する場合があります。下肢の血のめぐりが悪 くなっていたり、あるいは栄養状態が悪く、足にむくみができている場合。また、心臓病や腎臓(じんぞ う)病や呼吸器系の病気を患っている方も夜間の尿量が増大する傾向があります。
 一方、機能\的膀胱容量(膀胱の大きさ)が小さくなる病気は泌尿器科で治療することが多いです。つ ぎのような病気があります。
@膀胱以下の尿の通り道が狭くて尿を出しづらい(下部尿路通過障害)A膀胱の働きが悪くなっている (神経因性膀胱や不安定膀胱)。B膀胱の細菌性、結核性あるいは放射線性の炎症(膀胱炎)C膀胱 がんや尿道がんD尿管結石や膀胱結石などの尿路結石症Eその他病気ではありませんが、排尿習 慣や不安感や薬剤でも膀胱用量が小さくなって、排尿回数が増える場合があります。
 ご質問の方は、心臓病の既往がありますので夜間尿量が増えているかもしれません。前立腺のこと が気になるご様子ですので一度は泌尿器科を受診された方がよろしいと思います。


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