■琉球新報2000年11月25日付夕刊に掲載 

足裏の痛み

問い  半年ほど前から歩くと右足裏の上部が痛む。色もなく、触れてもいぼやたこなどもなく、見た目には何 の異常もないが、指を内側に手で押して折り曲げるとやはり痛い。整形外科で痛風検査と骨のレントゲ ン写真を撮ってもらったが、異常はなく「外反母趾(がいはんぼし)ではないか」と言われた。湿布薬をも らったが数カ月使っても何の効果もない。原因と診療科、治療法を教えてほしい。

 (52歳・主婦) 

<答えるドクター>
喜山克彦(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

合わない靴にも原因/中足骨骨頭痛は足底板で
答え
 足裏の痛みの原因は大きく以下のように分けられます。@できもの(ほとんどが良性のしゅよう)A全 身的な疾患(痛風、リウマチなど)やバイ菌の感染が原因の炎症や変形B外傷(骨折、ねんざ)やその 後遺症C足へ向かう神経の傷害や血液の循環傷害D生まれつきの足の変形による足裏の当たり所 の悪さE徐々に進んだ足の変形(へん平足、開帳足、外反母趾など)による足裏の当たり所の悪さF 歩行時、足首の内外どちらかへの過剰な傾き(過回内、過回外傷害)による足裏の当たり所の悪さG 足裏の過剰な負担(ハイヒールでの歩行、長距離走などのスポーツ、ひざなどの傷害による歩行パター ンの乱れなど)Hその他。
 @からDが原因による疾患は頻度は少ないですが整形外科医が特に気をつけている疾患で、それ ぞれにあった検査を行い治療をおこなっています。
 質問の内容からすると@からDの原因はないと判断されたと予想できます。EからGが原因の、足 裏のゆびの付け根にある膨らみ(中足骨骨頭)の痛みのようです。第一趾(母趾)から第五趾までの中 足骨骨頭は、歩行のときのけり出しの際に圧力のかかる場所です。反復して無理な圧力をかけると母 趾から第五趾の中足骨骨頭のうちいくつか、ときには全部に痛みを生じます。痛みが激しすぎて歩行 ができないこともあります。これは中足骨骨頭痛(メタタルジア)、または中足骨骨頭炎といいます。
 中足骨骨頭痛は見た目が全くの正常なこともあります。Eの原因のうち開帳足(足の前部が扇のよう に開く、外反母趾を伴うことが多い)はそれぞれの中足骨骨頭にかかる圧力が不均等になり中足骨骨 頭痛を生じます。FとGの原因は足と靴が合わないことと深くかかわっています。治療はまず歩行やラ ンニングを控えること、原因となっている靴をはかないことです。日常生活で歩行を控えることはそうそ うできることではありません。中足骨骨頭に負担のかからないように整形外科で作成した足底板(靴の 中敷き)の装着をお勧めします。その上で足をお湯につけた後、足のゆびとアキレス腱(けん)を同時に 伸ばすストレッチングや足を動かす筋肉の軽い運動などを行います。
 中足骨骨頭痛はうおのめ、たこ、母趾の内側の炎症(バニオン)、痛い神経の固まり(モルトン病)を 生じることもあります。これらに対する治療も必要で、ときには手術も行います。足は不自然な現代の 生活環境(アスファルトの道路、コンクリートの床)や生活様式(過度な労働、スポーツ)の影響を受ける 部位です。優しくいたわってあげたいものです。ぜひ、専門医にご相談ください。


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