■琉球新報2000年10月14日付夕刊に掲載 

左胸の痛み

問い  半年ほど前から時々心臓に針を刺したような痛みが走り、ひどい時には呼吸するのが苦しくなるほど です。以前は一週間に二、三日こうしたことがありましたが、残業を控えたり、あまり疲れをためないよ うにしたところ最近は月三、四回に減っています。しかし痛みの鋭さは同じ。特に病気にかかったことは ないが生理痛と便秘がひどく、痛み止めや下剤が手放せません。心臓の痛みの原因は何なのか、ど の診療科を受診したらよいのか教えてください。

 (29歳・事務職) 

<答えるドクター>
城間功旬(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

まず循環器科の受診を/十分な睡眠と休養も必要
答え
 「心臓の痛みの原因は何なのか」とのご質問ですが、胸には、心臓、大動脈、肺、食道、胸壁があり、 これらすべてが、胸痛の原因となり得ますので、ご質問の内容から、すぐにこれが心臓の痛みと診断す るのは、保留にして、まずはあなたがお考えのように、専門の診療科を受診して、胸痛の原因がどこか ら来ているか検査されることをお勧めします。
 胸痛の場合、まず、あなたがお考えのように、心臓からの痛みでないかどうかを調べる事が、最初に なされるべきで、そのために、循環器科(医院や総合病院の内科にあります)を受診してください。しか も、胸痛の場合は、治療を急ぐ場合がありますので、できるだけ早く受診することが大切です。そこで、 心電図・ホルター心電図・心エコー・胸部X線や血液の検査等で、狭心症・心筋梗塞(こうそく)・僧帽弁 逸脱症・解離性大動脈瘤(りゅう)・気胸・胸膜炎等がないかを調べます。循環器の疾患がなく、食事中 や食後に胸痛がでる場合、逆流性食道炎や食道運動異常のこともあり、食道の検査(食道内視鏡や 食道透視)まですることもあります。
 検査をしても、異常がない場合もあります。この場合は、疲労やストレスによる自律神経からの症状 や、不安障害(パニック障害等)・うつ状態によることもありますので、症状が長く続く時は、心療内科や 神経科を受診されたらよいと思います。特に、一人での留守番や車の渋滞や人込みへ行くことが不安 であったり、睡眠障害や、ゆううつ気分・意欲の低下・興味関心の低下等で日常生活や仕事に支障が 出ている場合は、受診された方がよいと思います。
 残業をできるだけ控えて、睡眠を十分に取り、休日に休養の時間もつくり、体調を整えてみてくださ い。生理痛と便秘がひどく、痛み止めや下剤が手放せないということから、体質もあると思いますが、ス トレスを受けると、体質的な症状は強くなってきます。ストレスを受けると、全身倦怠感(けんたいかん)・ 体のいろんな部分の痛み・微熱・頭痛・めまい感・口渇・肩凝り・のどのつまり感・動悸(き)・胃の痛み・ 下痢・便秘・手足のしびれ感や冷え等の体の症状や、睡眠障害・食欲低下・ゆううつ感・意欲の低下・ 疲れやすい・集中力や判断力や記憶力の低下・興味や関心の低下・考えが悪い方へ行きやすい・イラ イラ等の心の症状が出て来ます。二十九歳なので、体力に自信があることと思いますが、三十歳前後 からは、体と心からの言葉(症状)に耳を傾け(このことを「気づき」といいます)、気をつける(管理する) ようにすることが大切です。


<健康相談室>メニューヘ