■琉球新報2000年10月7日付夕刊に掲載 

でんぷうの効果的治療

問い  十代後半に「でんぷう」という皮膚病にかかり、病院を転々としましたが、いまだ治りません。梅雨から 夏場に上半身のあちこちに地図状の赤い発疹(ほっしん)が広がり、半そでなどで肌を出すのがはば かられます。かゆみはなく、手の指の第一関節や首にも出ています。軟こうや液状の塗り薬をもらいま したが、毛穴の奥に菌が残っているらしく完治しません。のみ薬は高価の上、副作用も強いとのことで 試していません。漢方薬も高価で手が出ません。有効な治療法を教えてください。

 (37歳・主婦) 

<答えるドクター>
大見 尚(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

抗真菌剤の塗布を/体を乾燥させ清潔に
答え
 相談者の質問から「でんぷう・癜風」について説明してお答えしたいと思います。
 癜風はカビ菌によって引き起こす皮膚感染症で、その菌は本来正常の皮膚に存在する常在菌であ り、特殊な菌ではなくごくありふれたものです。症状には二タイプがあり、しろなまず様淡脱色斑(はん )・白色癜風ともう一方は淡紅色〜赤褐色斑・黒色癜風があります。好発部位は頚(けい)部、背部、胸 部、顔面、上肢に米粒大の斑として生じ徐々に拡大していきます。特に斑の部分をこするとフケ様物が 多く見られ、これを鏡検して菌の証明をし診断します。なお、白色癜風は治療し菌が陰性になっても淡 脱色斑はしばらく残ります。
 自覚症状は大部分かゆみはなく、あっても軽度です。夏場に多く発症し、冬場軽快します。発症年齢 層は青壮年に多く、スポーツ選手、汗かきな人等に比較的多く見られます。治療は抗真菌外用剤(クリ ーム、液、軟こう)によって一日一回―数回を発疹部に広めに塗って治療して、発疹が消えてもすこし 長く続けて塗っていた方がいいようです。副作用に関して重症なものはなく、かぶれ様症状程度のこと がまれにあります。しかし相談者も毎年夏場に同部位に生じてきて、大変難儀されたように、再発は比 較的生じやすいことも事実です。再発の原因には第一にこの菌が皮膚常在菌であるため、治療によっ て菌が陰性になっても、再び寄生することや体質的に汗かきな人やあぶら症の人、もしくは長時間の日 光浴等の種々の条件が重なり合った結果、皮膚の抵抗力の減弱によって菌の増殖を抑えることがで きなくなって再発するものと考えられてます。
 今後の予防について、入浴時に体をよく洗い、乾燥させて清潔に保つことは治療になるばかりでなく 再発防止にもかなり有効だと思いますし、特に乾燥させることがカビ菌にかなりの効果があり、冬場に 軽快するあかしと考えます。また漢方薬療法について、現行では保険適応外であり、私も治療の経験 もありませんので副作用についてもお答えできません。しかしながら、今日使用されている抗真菌剤は かなり改善され、癜風に対して十分有効な薬剤と考えます。カビの病気は発疹より広めに外用剤を塗 り、根気よくすこし長めに塗っていくことが重要だと思います。最後にもう一度専門医を受診され、よく相 談して治療を試みてはいかがでしょうか。


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