■琉球新報2000年9月16日付夕刊に掲載 

結婚後、体重が増えた

問い  結婚後一年で七`cも体重が増えた。おなかがパンパンにふくらんでいるのが気になる。規則正しい 食事、運動を心がけ、排便も毎日順調にある。体重増加の原因が内臓の異常なのか、ホルモンバラン スのくずれなのか、またそれ以外の原因によるものなのか、その解決方法も教えてください。

 (27歳・女性) 

<答えるドクター>
喜瀬道子(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

まずBMI計算を/生活習慣の検討必要
答え
 体格の指標としてはbody mass index[BMI:体重(s)÷身長2 (m)]がありますが、昨年の日本肥満学会ではBMI一八・五〜二四・九は普通体重、BMI二五以上は 肥満と定義されました。体脂肪率による場合は男性で二五%、女性で三〇%を超すと肥満になりま す。相談者の方はまずBMIを計算されて、肥満なのかどうかの判定をされてください。
 肥満はさまざまな原因によって起こり、肥満を分類すると原因のある二次性肥満(内分泌性、中枢 性、遺伝性、薬剤性)と、原因を特定できない単純性(原発性)肥満に分類でき、現実には単純性肥満 が九五%以上を占めています。単純性肥満の主な原因としては過食、摂食パターンの異常、遺伝的素 因、運動不足、熱産生能の低下などがあり、中でも一番の原因は過食だと考えられています。しかしな がら、肥満者が必ずしも高カロリー食を摂取しているとは限らなくて、非肥満者と同等、またはそれ以 下のカロリーしか摂取していない場合もみられます。この場合は、食べる量よりも肥満につながるよう な誤った食べ方と運動不足に原因があります。誤った食べ方としては、朝食を抜いて夜の食事を多量 に摂取する「かため食い」や一日の食事量の半分以上を夜に食べる「夜食症候群」などがあり、このよ うな摂食パターン異常は比較的若年層に多くみられます。
 また、体重は標準あるいは標準以下でも体脂肪率の高い場合は「かくれ肥満」といいますが、これは 減量に失敗し、また元の体重に戻るということを何度も繰り返している若い女性や、若いころやせてい て年をとっても体重はあまり変わらないのにウエストが年々太くなってくる中高年の男性によくみられ、 内臓脂肪型肥満の可能性があります。
 お話では食事に気をつけ運動もやっていたとのことで、一年間で体重が七`cも増加した原因がは っきりしません。このような場合には、一週間ほど具体的な食事内容および生活活動を記録し、食習慣 や運動習慣に問題点がないかどうかを客観的に検討してみる必要があります。どうやったら減量でき るのかを考える前に、なぜ太ってしまったのかをつきとめるのです。そして、記録によってわかった問題 点を見直すことが減量につながります。原因が明らかでない場合や、肥満はなくとも脂肪の分布に異 常がある場合は二次性肥満を除外する目的でホルモン検査なども必要になります。
 英語の゛diet゛という言葉には「生き方、考え方」という意味があるそうです。ただ単に体重を減らすの ではなく、゛ライフスタイルを見直して、太りにくい生活習慣を身につける゛というのが本来の意味だとの ことです。


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