■琉球新報2000年9月2日付夕刊に掲載 

変形性膝関節症

問い  三十年前から「変形性膝(ひざ)関節症」を患っていますが、十数年前の骨折治療で突然アレルギー 反応を起こして以来、痛み止めの薬や注射を処方してもらえず、激痛で眠れない夜もしばしばです。昨 年からは両肩や腕も痛んでいます。膝は人工骨を入れて痛みをとる方法があるとのことですが、アレ ルギー体質では手術できないといわれ、絶望のふちにあります。痛みをとるにはどうしたらいいのか、 またなぜ突然薬が効かなくなったのかご教示ください。

 (70歳・主婦) 

<答えるドクター>
與座 格(県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

激痛には手術療法を/あきらめないで相談して
答え
 変形性関節症とは、クッションの役目をする関節軟骨が変性し、次第に関節の破壊・変形を生じる整 形外科の代表的な疾患です。すべての関節に起こる可能性がありますが、膝関節は体重を支えつつ よく動かすため最も症状が現れやすい関節です。
 原因は素質や肥満、O脚、膝の病気やけがの既往などが考えられていますが、一番重要な要因は加 齢で、初老以降のレントゲン検査や解剖所見からは症状の有無にかかわらず七五%の膝関節に変形 性関節症の所見がみられたとの報告があります。
 治療法としては日常生活指導をはじめとして筋力強化訓練や温熱療法などのリハビリ、痛みに応じて 消炎鎮痛剤の投与や注射療法、また足底板や膝装具などの装具療法などがあります。しかしこのよう な治療にもかかわらず症状が進行し、痛みのため日常生活や歩行などが著しく障害される方には手術 療法が勧められます。
 人工関節の手術は、個人差もありますが痛みが九割近くとれ、リハビリもはやく成功率も高い代表的 な整形外科の手術です。 さてご本人を診察していませんので確定的なことは言えませんが、お手紙か ら拝見する限りでは、痛みをとるためには人工関節の手術が一番適していると思われます。またアレ ルギー体質で手術できないと大変ご心配のようです。確かに手術には麻酔薬、化のう止め、痛み止め と多くの薬剤を用います。しかしながらすべての薬剤にアレルギーを起こすことは少なく、薬剤によって はほとんどアレルギーを起こさないものもありますので、相性のよい薬剤を選ぶことで手術は十分可能 と思われます。しかし万が一、アレルギー反応を起こすことも想定して麻酔科や内科の先生と事前に相 談することも大事でしょう。体制の整った病院で、そのような対応をしてくれる医師と十分相談してくださ い。
 また手術というものは本来、多少なりとも危険や合併症の可能性はつきものです。最終的には手術 による利益と不利益とを担当医師とよく検討し、納得したうえで手術を受けることが一番大事ではない かと考えています。
 第二の質問としてなぜ突然薬が効かなくなったのかという質問は、なぜ突然アレルギーを起こすよう になったのかという意味だと解釈いたします。これまで害のなかった薬が突然害を及ぼすような病的な 免疫反応(アレルギー)を引き起こす機序については、遺伝的素因や体質的なことが要因といわれてい ます。しかし残念ながら、詳しいところはいまだに分からないところが多いようです。


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