■琉球新報2000年7月15日付夕刊に掲載 

造影剤検査の副作用が心配

問い  三十三年前に肺結核手術で輸血を受けたのがもとで、十一年前にC型肝炎と診断されました。その後、GOT、GPTともに二百以上になったため生検も受けたのですが、異常はありませんでした。現在は小柴胡湯(しょうさいことう)を服用しています。近々、肝臓のCT検査を予定しています。造影剤を注入するそうですが、前に痛み止めの注射で呼吸困難になったこともあり、アレルギー体質なので副作用が心配です。副作用の可能性や病院での対処法について教えてください。

 (54歳・男性) 

<答えるドクター>
安谷正(沖縄県医師会) ・・・・・・・・・・・・・・・・

検査の必要性を理解して/主治医とよく相談を
答え
 より質の高い診療を行う上でCT検査の必要性は高くなってきており、必要に応じ造影剤という検査用の薬を用います(造影剤を用いないCT検査と用いる場合を、それぞれ単純CT検査、造影CT検査と呼びます)。
 通常、造影CT検査では腕の静脈から造影剤を注入し、これが血流に乗って体中に広がります。このときCTを撮ると、造影剤が流れてきたところは白っぽく写ります。それによって血流の状態などが分かり、体内の状況を詳しく知ることができます。例えば、造影剤を用いると単純CTでは分からなかった腫瘍(しゅよう)が見える場合があり、単純と造影の比較や造影効果の評価から、腫瘍が良性か悪性かを区別する手がかりが得られます。
 造影剤を血管内に注入することにより幾つかの反応が生じ得ます。よく起こるものは熱感です。これはだれにでも起こり得るもので心配はありません。そのほかの副作用として、軽症のものでは吐き気やおう吐、処置を要するものとしてはじんましん、呼吸困難、血圧低下などがあります。
 以前に造影剤で副作用のあった人や、ぜんそく、アレルギー体質の人は、そうでない人に比べて副作用の起こる可能性が高いとされています。腎(じん)機能が低下している人では、さらに悪化する可能性もあります。現在日本では副作用のより少ない非イオン性ヨード造影剤が用いられることが多く、重篤な副作用は造影検査を受ける二千五百人に一人の確率です。死亡例報告もありますが、頻度としては五十万人に一人とされています。
 多くの副作用は造影検査中に生じます。造影検査を行う施設では、この副作用に対処する準備がなされています。もしも検査中に吐き気、かゆみ、涙、くしゃみ、のどの違和感―などの異常を感じたら我慢せずすぐに知らせてください。状況により検査を中断しすぐに処置を行います。まれに検査終了後三十分から数日後に発しんなどが生じる例もあります。検査を行った病院にご連絡ください。
 ご質問の患者さんの場合、主治医は肝臓の状態をより詳しく知るために造影CT検査が必要だと考えたようです。リスクのある方とはいえ、副作用は必ず生じるものではありません。かえって造影剤を使った検査を行うことで重要な情報が得られ、患者さんの益になることも十分期待されます。主治医は検査による患者さんへの有益性とリスクを比較検討して検査を組みます。いたずらに不安がらず主治医とよく相談し、より望ましい診療がなされますように。


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