■琉球新報2000年7月1日付夕刊に掲載 

がん検診は有効か

問い  主人は六十一歳です。きちょうめんな性格の公務員でしたが、定年退職し一年になります。過去二十年間、主人は検診を欠かさず受けていましたが、今年の検診で肺がんが見つかり、それも第V期の進行がんとのことでした。検診というのは、ほんとうに意味があるのかと疑いたくなります。

 (60歳・女性) 

<答えるドクター>
石川清司(国立療養所沖縄病院副院長) ・・・・・・・・・・・・・・・・

年齢、各自に合った受診を/胃がんなどで高い評価
答え
 「検診」も「健診」も、万能ではないことを最初にお断り致します。病気を早期に発見し、その病気による死亡を避けるのが検診の大きな目的です。現在、行政として取り組んでいるがん検診は胃がん、子宮がん、乳がん、大腸がん、肺がんの五つの疾患です。
 検診の意義は、多くの要因に左右されます。効率のいい検診方法と、有効な治療方法が確立していることが大切です。「胃がん」「子宮頚(けい)がん」検診はその有効性が高く評価されており、大腸がん検診も「便潜血反応」という簡便な方法で多くが発見されています。
 視診・触診に頼る乳がん検診には限界があります。超音波、マンモグラフィーの導入は検討されなければなりません。乳がんは早期発見により、縮小手術が可能です。
 肺がんにはレントゲン写真で見つかる場合と、たんの細胞診検査で見つかる場合があります。重度の喫煙者はたんの検査を受けましょう。レントゲン写真にも限界があります。ほぼ一a以上の大きさにならないと病気は見つかりません。また、心臓や横隔膜、縦隔(じゅうかく)に重なった肺がんは大きくなるまで見つかりません。
 肺がんの好発年齢(できやすい年齢)は六十歳代、七十歳代です。ですから検診の意義はこの年代から増してきます。喫煙者、特に十代で喫煙を開始した方、何らかの肺の病気を患ったことのある方、身内の方が肺がん、またはほかの臓器のがんを患ったことのある方にとっては、肺がん検診は大切です。一度、胸部CT検査を受けてみることも有用なことです。一a以下の小さな病気も見つけることができます。
 病気の好発年齢を考慮して、いま一度、自分自身に必要な検診(健診)は何かを考えてみましょう。そして、かかりつけの先生に相談しましょう。参考までに、検診と検査方法を挙げます。
 胃がん=胃間接撮影 子宮がん=細胞診 肺がん=胸部X線、喀痰(かくたん)細胞診 乳がん=視診・触診・マンモグラフィー 大腸がん=便潜血反応 食道がん=X線 肝臓がん=超音波・肝機能検査 卵巣がん、膵(すい)臓がん=超音波・腫瘍マーカー 泌尿器がん=細胞診 前立腺がん=超音波・PSA 胆嚢(のう)がん、腎がん=超音波 喉頭がん=音声 神経芽細胞腫=尿中腫瘍マーカー


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