■琉球新報2000年2月5日付夕刊に掲載 

緊張するとおなかが鳴る

問い  小四のころから、おなかがへっているわけでもないのにグーグーと鳴り、困っています。緊張しているテストの時間や、自習などで教室が静かな時にゴロゴロと鳴ってしまいます。家にいる時や何かに集中している時は大丈夫ですが、気にし始めるとすぐに鳴ります。一分間に五回も大きな音を立てたこともあります。鳴らないように朝食は必ずとり、空気を吸わないようによくかんで食べたり、おなかの音を止める食品を食べたりといろいろ努力しましたが、治りません。どうしたらいいのでしょう。

 (14歳・女性) 

<答えるドクター>
神谷鏡子(かみや母と子のクリニック小児科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

過度に神経質にならないで/正しい食事、睡眠、運動を
答え
 相談者は、よくおなかが鳴るということですが、私を含め一般的におなかが鳴るというのは医学的に生理的な現象であり、だれでも何回か同じような経験をしたことがあると思います。
 では、なぜ、おなかが鳴るのでしょうか。私たちは食物を食べ消化し、体に必要な栄養素を消化管全体を通じて吸収しています。固形物を吸収しやすくするために、胃を含め消化管は縮んだり伸びたりした蠕動(ぜんどう)運動を行っています。実際におなかが鳴るというのは、その動きに関与しています。
 胃が空っぽの状態でも、普通十―十五秒に一回の割合で規則的な収縮と弛緩(しかん)を繰り返し、その収縮が強くなるほど空腹感も強くなって、不意に強い収縮が起こると胃の上部にたまった空気が移動し、あの「グー」という音が鳴るといわれています。
 その消化管全体を支配しているのが自律神経というものです。特に副交感神経が緊張すると、その運動が強くなるともいわれています。相談者も緊張している時やテスト時間で静かな時に限ってよく鳴り、リラックスしている時は大丈夫というように、まず、過度におなかの症状に神経質にならないということが一番と考えられます。
 実際に、そのほかの腹部症状はありませんか。便秘や下痢などの便通異常、腹部膨満感、反復する腹痛などを起こすものとしては、過敏性腸症候群という病気があります。学童期ごろから始まり、それも腸の過敏性と自律神経異常やストレスなどが関与しているともいわれていて、もしそのような症状が見られるようなら一度医療機関を受診してください。
 おなかが鳴る症状のみでしたら、まずできる限り空気を飲まないよう、規則正しい食生活をし、朝食も時間をかけてゆっくりよくかんで食べることが大切です。さらにガスが貯留しやすい食品(豆類、芋類、ゴボウ、炭酸飲料など)、辛みの強い刺激性食品を避け、十分な睡眠時間を確保し、腸の自律神経を鍛えるための適度な運動も必要ですので、食生活以外にも心がけるようにしましょう。そうすれば、自然と緊張することも少なくなり、おなかのことも気にならなくなるでしょう。


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