■琉球新報2000年1月22日付夕刊に掲載 

尿の色が濃くなっている

問い  四、五年前から尿の色が黄色くなってきています。以前は風邪をひいた時ぐらいだったのですが、だんだん色が濃くなるので、心配です。昨年九月には歩行中に尿が漏れる感じがしたので、確認したら下着にかなりの量の血がついていました(痛みはなし)。出血はその一回きりで、病院には行っていません。この五年間、尿検査は受けていませんが、じかに診察を受けるべきでしょうか。一日の排尿は七―十回で、一日一、二回の軽い残尿感があります。

 (50歳・男性) 

透明調なら正常範囲/年に1度は尿検査を
答え
 まず尿の色の問題ですが、正常な尿の色調は淡黄色〜黄褐色透明で、水分の取り方によって大きく左右されます。水分を多く取ると、限りなく無色水様性に近づき、水分摂取量が少なくなると、黄褐色調になっていきます。お茶の濃い色などと表現される尿も、基本的に透明調であれば正常範囲の尿と判断されます。
 尿が漏れる感じがしてからの下着への血の付着は尿道出血と思われます。尿道出血は尿道ポリープや尿道乳頭腫(しゅ)、尿道がんなどで見られますが、一般的にこれらの疾患では排尿困難、血尿などの症状も伴います。時に、尿道部血管の障害(血管の断裂など)で発生したと思われるような尿道出血がありますが、この場合にはほかに症状は全くないようです。
 知らないうちに下着に血が付いていたとの愁訴で泌尿器科を受診される方が年に数人程度見られますが、尿道鏡検査などを行ってもその原因がはっきりしないことがしばしばです。その時は、そのまま様子を見ます。一度きりの出血とのことですが、念のために専門的な診察を受けられたほうがよいと思います。
 排尿回数は通常日中で四―五回、夜間はゼロ―一回で、一日十回を超えると頻尿とされます。一日七―十回ですとやや多い傾向といえます。
 一日数回見られる残尿感ですが、女性ではぼうこう炎でよく見られる症状です。男性だと圧倒的に前立腺(せん)炎で見られます。ぼうこう炎は男性ではまれです。前立腺は男性にのみ存在する臓器で、ぼうこうの下方に尿道をとりまくように位置しています。機能的には精液の一部を産生しています。
 前立腺炎には急性と慢性があります。急性は細菌の感染によって起こり、発熱や排尿痛、排尿困難などが見られ、症状が激しいので早急な治療が必要となります。
 一方、慢性の前立腺炎は緩慢で潜行性に症状の見られる無熱性の炎症で、急性前立腺炎が治癒せず慢性に移行する場合と、はじめから慢性の経過をとる場合があります。慢性前立腺炎の主な症状は頻尿、残尿感、下腹部痛(不快感)などで、時に血尿なども見られます。慢性前立腺炎の原因は種々考えられており。治療期間もさまざまです。
 前立腺炎の診断に要する検査には、前立腺の触診、検尿、超音波検査などがあります。自己診断の目安として、長時間の座位や飲酒後の症状(頻尿、残尿感など)の悪化があります。残尿感、頻尿などがあれば、泌尿器科受診が必要と思われます。
 尿検査から得られる情報(尿糖、尿潜血、尿たんぱく、炎症反応など)は多く、手軽な検査ですので、年に一度は気軽に身近な医療機関などで検査を受けられることをお勧めします。


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