■琉球新報2000年1月15日付夕刊に掲載 

1日30回以上の頻尿で困る

問い  昨年五月ごろから尿の回数が増えて困っています。今は約十分おきに一日三十〜四十回ほど催します。量は普通で、残尿感もありません。水分を控えていますが、トイレに間に合わず漏らしてしまうことも日に一度はあります。老人会の集まりなどでは、緊張のせいか二時間くらい尿意はありません。一時は尿を止める薬をのんでいましたが、効果がなく、やめました。薬ではなく外科的に対処する方法を教えてください。なお、十年ほど前から糖尿病の治療も受けています。

 (69歳・男性) 

<答えるドクター>
大城吉則(ハートライフ病院泌尿器科) ・・・・・・・・・・・・・・・・

泌尿器科疾患に起因か/外科治療や薬物で改善可能
答え
 泌尿器科の外来では、今回のような「頻尿」を主訴として来院される患者さんは少なくありません。
 正常成人の一日尿量は水分摂取量、気温、運動、発汗量などによって左右されますが、平均して約千五百ミリリットル前後です。一回排尿量が三百―四百ミリリットルですので、一日の排尿回数は五、六回程度となります。従って、何らかの原因で一日尿量が異常に多くなったり、または膀胱(ぼうこう)容量が異常に小さくなったりすると排尿回数は多くなり、一日排尿回数が十数回以上になると頻尿とされます。
 尿量が多くなったり、膀胱容量が小さくなったために頻尿をきたす原因は非常に多様であり、次のように分類されます。
 @尿量の増加(多尿)による頻尿=糖尿病患者の尿糖による浸透圧利尿。頭部の外傷・腫瘍(しゅよう)などが原因による尿崩症。または単に飲水量が多いことによる多尿。
 A膀胱容量の減少による頻尿=膀胱腫瘍や慢性炎症のために膀胱壁が硬化し膀胱の伸展性が低下、あるいは膀胱外から妊娠子宮や骨盤内腫瘍などの圧迫による膀胱容量の減少。
 B残尿による有効膀胱容量の減少=前立腺(せん)肥大症、前立腺がん、尿道狭窄(さく)などの下部尿路通過障害のために、膀胱内の尿が完全に排出されない場合の残尿。膀胱をコントロールする神経障害のために、排尿の際に膀胱が十分に収縮できない場合(神経因性膀胱)の残尿。
 C膀胱の被刺激性の高進=膀胱炎、前立腺炎、尿道炎、そして膀胱・下部尿管結石による膀胱粘膜の刺激。蓄尿をコントロールする神経障害による排尿筋反射の高進。
 D心因性頻尿=前記のような器質的な疾患はないにもかかわらず、排尿に関して過度に神経質になっている状態では、膀胱に尿が十分にたまっていなくても尿意を自覚し、頻尿となる。
 このように頻尿をきたす原因は多様ですので、頻尿を治療するためにはしっかりとした診断がなされなければなりません。
 今回の相談については文面だけからでは十分には判断しかねますが、持病の糖尿病は運動療法によって血糖コントルールは良好なようですので、糖尿病による浸透圧利尿は否定的です。夜間頻尿と尿失禁もあるですので、ABCの何らかの泌尿器科疾患に起因する頻尿だと考えます。
 治療については外科的な治療を希望されているようですが、頻尿の原因が下部尿路通過障害であれば手術によって十分に改善できますし、あるいは膀胱の神経障害、尿路感染症によるものであっても適切な薬物療法で十分に改善しますので、ぜひ最寄りの泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。


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