メタボと大腸がん

前田企能・前田胃腸科医院(2013年8月20日掲載)

40歳以上は検査を

 暑い日が続いています。ビールがおいしい季節です。実は私は飲み食いが大好きです。冷えたビールに焼き肉、ステーキなんて最高です。さすがに若い頃のようには食べませんが、いわゆるジャンクフードといわれるハンバーガーやホットドッグ、フライドチキン等の食べ物も好きです。困ったことに、ビールやワインのようなアルコール飲料との相性も大変いいのです。


 しかし、日頃から好き放題飲み食いしていたら、行きつく先は肥満、メタボです。これで何が問題かといえば、糖尿病や高血圧、脂質異常症のような生活習慣病につながり、さらには脳卒中や心臓病、腎臓病に至るリスクが高くなることです。


 実は、私の専門領域である消化器疾患にも関わりがあります。肥満、運動不足、アルコール、脂肪、赤身肉・加工肉の摂(と)りすぎは、大腸がんにかかる危険性を高めるといわれています。まさに肥満、メタボと重なります。


 大腸がんは相当程度進行するまで全く症状がありません。がんが大きくなって腸がふさがりそうになったり、出血して貧血がひどくなったような状態になったりして初めて、自覚症状が出てくるのです。実のところ、大腸がん検診で広く行われている便潜血検査をしても、大腸がんの元となる大腸ポリープや大腸早期がんでは陽性となる確率が決して高くありません。


 便潜血検査は簡単で安いため、また、大腸がんは比較的成長が遅いため、毎年便検査を受けてさえいれば、ある程度進行していても命とりになる前に発見・治療ができるという考えで推奨されています。毎年受けてこそ意義のある検査といえます。早期発見には大腸内視鏡検査が有効です。ポリープや早期がんは内視鏡で治療可能なことも多いです。大腸がんは定期的(3年がめど)に大腸内視鏡検査を受けていれば、高い確率で防ぐことができます。


 末永く楽しく飲み食いするためにも、日頃は自制して適度に運動することを心がけたいものです。特に40歳以上の方は定期的に大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

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