PC操作と頭痛

久田均・脳外科クリニックくだ(2013年7月9日掲載)

同じ姿勢 続けないで

 まず、ここに記載する内容は、教科書や医学界一般に認められている常識とは一部に違いがあることをあらかじめお断りしておきます。


 頭蓋(がい)内に原因の無い慢性頭痛は、緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)・片頭痛・群発頭痛などに分類され、その多くが緊張型頭痛と片頭痛で占められています。30年ほど前は、外来を訪れる緊張型頭痛と片頭痛の患者の比率はおおむね1:1から2:1でした。ところが、ここ10年ほどは緊張型頭痛が増え、私の外来では3:1になっています。増加した患者の多くが長時間パソコン(PC)操作に従事する人たちです。


 多くの場合、PC操作中は同じ姿勢で画面を注視し続けることを強いられています。


 このことを主な要因として、慢性の肩こりや眼精疲労を引き起こす場合があります。この状態が改善されないと、首の後ろから頭頂部にかけての筋肉が過緊張状態となり、頭痛が起きます。頭痛自体は鎮痛剤で収まることがほとんどですが、慢性となると、頭痛のため毎日鎮痛剤の内服をしてしまい、薬物乱用につながる場合があります。


 したがって、根本的な要因を特定して、改善を図ることが必要です。具体的な要因は症状別にいろいろとあるのでしょうが、ここで強調しておきたいのは肩こりや首のこりについてです。特に背中を丸めて顎を上げ、首を伸ばした状態を長時間続けると、こりを引き起こすので、長時間の同じ姿勢を避けることが大切です。時には、椅子に座らずに立った姿勢でPC操作を行うことや、肩や首の筋肉のマッサージも有効です。


 注意してもらいたいのは、首を勢いよく回したり、音がするほど首を思いっきりねじる動作をしないことです。これらの行為は、緊張度の高まった筋肉にダメージを与え、頸椎(けいつい)疾患がある場合、病状を悪化させてしまう恐れがあるからです。


 慢性的な頭痛が1カ月以上、連日続く場合、特に毎日鎮痛剤を内服している場合は、鎮痛剤乱用による頭痛という非常に治療困難な状況に陥る場合があります。ご注意ください。

このページのトップへ